ドゥシャンベ(読み)どぅしゃんべ(英語表記)Душанбе/Dushanbe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドゥシャンベ」の意味・わかりやすい解説

ドゥシャンベ
Dushanbe

タジキスタンの首都。 1929年までジュシャンベ Dyushambe,1929~61年はスタリナバード Stalinabad。同国南西部のギッサール谷にあり,アムダリア水系ドゥシャンビンカ (バルゾブ) 川に臨む。旧ソビエト連邦時代に三つの集落を合わせて新たに形成された都市で,1924年タジク自治共和国の首都に選ばれてから急速に発展した。特に第2次世界大戦以降成長し,人口集中が著しい。 1991年独立したタジキスタンの首都となる。タジキスタンの工業生産の3分の1を市が生産し,繊維,食品 (油脂食肉,ワイン) ,皮革製靴などの工業のほか,電気ケーブル,電気冷蔵庫製造も行なわれている。またタジキスタンの教育,文化の中心地で,工科,教育,医科,農業の各大学,科学アカデミー,劇場,歴史・郷土博物館などがある。市街が整備されて,高層建築も多くなり,緑化が進んでいる。交通の要地で,ウズベキスタンの首都タシケントとクリャブを結ぶ鉄道,タシケントとホローグを結ぶハイウェーが通り,国際空港もある。人口 72万4000(2010暫定)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドゥシャンベ」の意味・わかりやすい解説

ドゥシャンベ
どぅしゃんべ
Душанбе/Dushanbe

タジキスタンの首都。アムダリヤ支流カフィルニガン川上流のさらに支流バルゾブ川に臨み、標高750~930メートルの台地上にある。人口59万0300(2003推計)。平均気温は1月1℃、7月28℃としのぎやすい。空港があり、また鉄道の分岐点でもある。交通、商業の中心集落として発達し、ロシア革命(1917)後に急成長した新興都市である。人口も、1926年の6000から59年の23万へと急増した。1929~61年の間はスタリナバードСталинабад/Stalinabad(「スターリンの町」の意)とよばれた。革命後、電気、機械、冶金(やきん)の重工業が発達し、食品、皮革、繊維、油脂、ぶどう酒、精肉製造などの軽工業も盛んとなり、タジキスタンの工業生産高の3分の1を占める。中央アジア有数の工業都市であるとともに、自然を残す美しい町としても知られる。1951年タジク科学アカデミーが発足し、またタジク大学や技術専門学校、劇場、博物館があり、学術・文化の中心地にもなっている。

[山下脩二]

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