ドゥシャンベ(その他表記)Dushanbe

デジタル大辞泉 「ドゥシャンベ」の意味・読み・例文・類語

ドゥシャンベ(Dushanbe/Душанбе)

タジキスタン共和国首都。同国西部にある工業都市で、機械冶金・食品などの工業が盛ん。旧称スタリナバード人口、行政区67万(2007)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドゥシャンベ」の意味・わかりやすい解説

ドゥシャンベ
Dushanbe

タジキスタンの首都。 1929年までジュシャンベ Dyushambe,1929~61年はスタリナバード Stalinabad。同国南西部のギッサール谷にあり,アムダリア水系ドゥシャンビンカ (バルゾブ) 川に臨む。旧ソビエト連邦時代に三つの集落を合わせて新たに形成された都市で,1924年タジク自治共和国の首都に選ばれてから急速に発展した。特に第2次世界大戦以降成長し,人口集中が著しい。 1991年独立したタジキスタンの首都となる。タジキスタンの工業生産の3分の1を市が生産し,繊維,食品 (油脂食肉,ワイン) ,皮革製靴などの工業のほか,電気ケーブル,電気冷蔵庫製造も行なわれている。またタジキスタンの教育,文化の中心地で,工科,教育,医科,農業の各大学,科学アカデミー,劇場,歴史・郷土博物館などがある。市街が整備されて,高層建築も多くなり,緑化が進んでいる。交通の要地で,ウズベキスタンの首都タシケントクリャブを結ぶ鉄道,タシケントとホローグを結ぶハイウェーが通り,国際空港もある。人口 72万4000(2010暫定)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドゥシャンベ」の意味・わかりやすい解説

ドゥシャンベ
どぅしゃんべ
Душанбе/Dushanbe

タジキスタンの首都。アムダリヤ支流カフィルニガン川上流のさらに支流バルゾブ川に臨み、標高750~930メートルの台地上にある。人口59万0300(2003推計)。平均気温は1月1℃、7月28℃としのぎやすい。空港があり、また鉄道の分岐点でもある。交通、商業の中心集落として発達し、ロシア革命(1917)後に急成長した新興都市である。人口も、1926年の6000から59年の23万へと急増した。1929~61年の間はスタリナバードСталинабад/Stalinabad(「スターリンの町」の意)とよばれた。革命後、電気、機械、冶金(やきん)の重工業が発達し、食品、皮革、繊維、油脂、ぶどう酒、精肉製造などの軽工業も盛んとなり、タジキスタンの工業生産高の3分の1を占める。中央アジア有数の工業都市であるとともに、自然を残す美しい町としても知られる。1951年タジク科学アカデミーが発足し、またタジク大学や技術専門学校、劇場、博物館があり、学術・文化の中心地にもなっている。

[山下脩二]

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改訂新版 世界大百科事典 「ドゥシャンベ」の意味・わかりやすい解説

ドゥシャンベ
Dushanbe

中央アジアのタジキスタン共和国の首都。アム・ダリヤの支流の一つカフィルニガンKafirnigan川が形成するヒッサールHissar河谷の中央部にある。人口58万(2002)。この地域は古くからのパミール横断路上に位置していたが,近世までのドゥシャンベは一寒村にすぎなかった。ソ連邦成立以降,1924年にタジク共和国の首都に選ばれ,政治・工業都市(電機,繊維,食品など)として急速に発展し,91年のタジキスタン独立を経て現在にいたっている。革命後の一時期にはスターリナバードStalinabadと呼ばれたこともあった。
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百科事典マイペディア 「ドゥシャンベ」の意味・わかりやすい解説

ドゥシャンベ

タジキスタンの首都。1929年―1961年はスターリナバードと称した。綿織物,絹織物,食料品などの工業が行われる。大学(1948年創建),空港がある。近世までは一寒村にすぎなかったが,ソ連成立後,タジク共和国の首都に選ばれ,急速に発展した。1990年アゼルバイジャンからのアルメニア人難民のタジキスタン移住に対する抗議デモが大規模な騒乱に発展し(ドゥシャンベ事件),タジキスタン・ナショナリズム高揚の契機となった。72万4844人(2010)。

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