日本大百科全書(ニッポニカ) 「ド・カンドル」の意味・わかりやすい解説
ド・カンドル
どかんどる
Augustin Pyrame de Candolle
(1778―1841)
スイスの植物学者。ジュネーブに生まれる。同地とパリで教育を受け、パリではラマルクやキュビエらと親交し植物学を研究した。1807年フランスのモンペリエ植物園長、1808~1816年モンペリエ大学植物学教授を務め、この間、『植物学の階梯(かいてい)的理論』を著した。1816年ジュネーブに帰り、1836年までジュネーブ大学教授。ここでは植物の分類に全力を注ぎ、ジュシューの分類体系を引き継ぎ『植物自然分類序説』を刊行し始めたが、7巻までで没した。この間、多くの新種植物を発見し、後の植物分類学に一つの基礎を与え、また分類学を精密な自然科学へと高めた。
子のアルフォンスAlphonse Louis Pierre Pyrame de Candolle(1806―1893)は父の未完の『植物自然分類序説』全17巻を完成したほか、植物地理学を研究し、各地の栽培植物の起源を調査して、1883年には名著『栽培植物の起源』を著した。ジュネーブ大学植物学教授を務めた。
[鈴木善次]