ドホナーニ

百科事典マイペディア 「ドホナーニ」の意味・わかりやすい解説

ドホナーニ

ハンガリー作曲家,ピアノ奏者,指揮者ポジョニュ(現ブラチスラバ)に生まれ,ブダペストの王立音楽アカデミーで学ぶ。1898年ピアノ奏者としてデビュー。作品もブラームス絶賛され,F.リスト以来のハンガリーの作曲家,ピアノ奏者と称された。1905年−1915年ベルリン高等音楽学校で教鞭(きょうべん)をとり,1919年−1920年母校校長コダイとともに音楽教育の改革にとりくむ。1919年−1944年ブタペスト・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者。コダイ,バルトークを擁護し,その作品を積極的にとりあげた。1934年−1940年再び母校(リスト高等音楽学校と改称)校長を務め,ナチ化,反ユダヤ主義と戦う。1948年故国を去り,米国で没した。作品はドイツ後期ロマン派の流れを汲み,二つのピアノ五重奏曲(1895年,1914年),三つの弦楽四重奏曲(1899年−1926年),《六重奏曲》(1935年)などの室内楽曲に円熟した書法を示した。ほかに三つの交響曲,管弦楽曲協奏曲オペラなど。孫のC.vonドホナーニ〔1929-〕も指揮者として活躍し,クリーブランド管弦楽団音楽監督などを歴任

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドホナーニ」の意味・わかりやすい解説

ドホナーニ(Christoph von Dohnányi)
どほなーに
Christoph von Dohnányi
(1929― )

ドイツの指揮者。ハンガリーの作曲家でピアノ奏者エルンスト・フォン・ドホナーニの孫。ベルリン生まれ。法律を学ぶかたわら音楽の勉強を続け、渡米して祖父バーンスタインのもとで研鑽(けんさん)を重ねた。帰国後フランクフルト歌劇場を皮切りに各地で指揮者、音楽監督を務め、1969~77年フランクフルト市立歌劇場音楽総監督、77~83年ハンブルク国立歌劇場音楽総監督を歴任。1977年(昭和52)ウィーン・フィルハーモニーと初来日。1984~2002年クリーブランド管弦楽団の音楽監督を務める。オペラとコンサートの両方で広いレパートリーをもち、鋭さのなかに豊かな情感を漂わせた指揮で知られる。

[岩井宏之]

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改訂新版 世界大百科事典 「ドホナーニ」の意味・わかりやすい解説

ドホナーニ
Dohnányi Ernő
生没年:1877-1960

ハンガリーのピアニスト,作曲家,指揮者。ブダペスト音楽アカデミーに学ぶ。1898年ロンドンでピアニストとしてデビュー。また室内楽作品等によりブラームスの絶賛を浴び,1900年ごろにはハンガリーの生んだリスト以来の最高のピアニスト,作曲家として国内外に認められる。ベルリンで活躍ののち15年ブダペストに戻り,多数の演奏会を開き,教育活動も行う。さらにブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を務め,友人のバルトークらの作品を積極的に取り上げた。彼の作品はブラームスに範をとった《ピアノ五重奏曲第2番》(1914)等が知られている。第2次世界大戦後は故国を去りアメリカで没した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドホナーニ」の意味・わかりやすい解説

ドホナーニ
Dohnányi, Ernö

[生]1877.7.27. ポジョニー(現ブラチスラバ)
[没]1960.2.11. ニューヨーク
ハンガリーの作曲家,ピアニスト,指揮者。ブダペスト王立音楽院卒業後ピアニストとしてデビュー。 1908年ベルリン音楽学校教授,19年ブダペスト音楽院長,39年ハンガリー放送総監督を歴任し,第2次世界大戦後は,49年以来アメリカに定住,フロリダ州立大学で教鞭をとった。作品には,ピアノと管弦楽のための『童謡を主題とした変奏曲』ほかがある。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ドホナーニ」の解説

ドホナーニ

趣味でチェロを弾いていた父に音楽の手ほどきを受け、ピアノ、作曲をブダペスト王立音楽院(後のリスト高等音楽学校)で学んだ。後に同校の教授、校長となり、19~44年にはブダペスト・フィルハーモニー協会主席 ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

世界大百科事典(旧版)内のドホナーニの言及

【ハンガリー】より

…【家田 修】。。…

※「ドホナーニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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