ヌアクショット(読み)ぬあくしょっと(その他表記)Nouakchott

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌアクショット」の意味・わかりやすい解説

ヌアクショット
ぬあくしょっと
Nouakchott

西アフリカ、モーリタニアの首都。同国西部の大西洋岸に位置する。人口61万1883(2000)。1957年のセネガルとの分離独立決定以後、砂漠の中の小村落を基礎に建設された。この位置が首都に選ばれたのは、アラブ系住民とアフリカ系住民の居住分布境界にあり、海に近く比較的しのぎやすいからである。現在では同国の政治、経済、文化、交通の中心となっている。市街地は固定砂丘上にあり、空港に近く南北に走るブルギバ通りとこれと直交するナセル通りからなる。ナセル通りの北に大統領府官庁、高級住宅、南に市場、メディナ(旧市街)、問屋街、一般住宅、港近くに工業地帯がある。干魃(かんばつ)時には内陸から出てきた遊牧民テントラクダ群れが町を取り囲む。

[藤井宏志]

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改訂新版 世界大百科事典 「ヌアクショット」の意味・わかりやすい解説

ヌアクショット
Nouakchott

西アフリカ,モーリタニア・イスラム共和国の首都。人口56万(2000)。大西洋岸の砂漠の中に人工的に造られた都市で,周辺にはわずかな牧畜,雑穀栽培,アラビアゴム採取などのほか産業はない。モロッコからセネガルに通じるサハラ縦断道路が通り,内陸への道路との接点になっている。もとは小さい集落であったが,1958年にフランス共同体内の自治国の主都となり,予定された独立国の首都としての建設が始まり,60年の独立を経て現在に至っている。新しく建設された港には近代的な石油備蓄などの施設がある。11世紀のムラービト朝が西アフリカ征服の基地とし,モスクがあったのはこの付近だといわれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌアクショット」の意味・わかりやすい解説

ヌアクショット
Nouakchott

モーリタニアの首都。西部アフリカの大西洋岸の砂丘上にあり,セネガルの首都ダカール北北東 435kmに位置する。現在の町は旧市街の南郊に新しく建設され,1960年の独立後首都として急速に発展。ラッカセイ (落花生) ,アラビアゴムなどを輸出してきたが,北東方 195kmのアクジュジトの銅鉱山と幹線道路で結ばれ,1970年には港湾を拡張,石油や銅を輸出する。市街は独立広場を中心に,行政センター,商業・住宅地域,郊外の工場や労働者居住地域などに分けられ,整備されている。北方のヌアディブー港,南方のダカールと道路で結ばれ,国内空港がある。人口 70万9000(2009)。

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百科事典マイペディア 「ヌアクショット」の意味・わかりやすい解説

ヌアクショット

モーリタニアの首都。同国西部,大西洋岸近くにある。1958年首都として新市街が建設された。政府諸機関があり,アラビアゴム,トウモロコシ,家畜などの取引が盛ん。サハラ縦断道路が通る。95万8399人(2013)。
→関連項目モーリタニア

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