ノジアオイ(英語表記)Melochia corchorifolia L.

改訂新版 世界大百科事典 「ノジアオイ」の意味・わかりやすい解説

ノジアオイ (野路葵)
Melochia corchorifolia L.

世界の熱帯亜熱帯に広く分布するアオギリ科の一年草で,日本でも四国以南の海辺に自生する。茎の高さは30~90cmになる。葉は単葉で互生し,葉身は長さ2~6cmの卵形で,裏面にあらい毛があり,縁に鋸歯をもつ。托葉線形白色~淡紅色の花は小型で,夏から秋にかけて枝先に頭状に集まって咲く。両性花。萼は鐘形で先が5裂し,花弁5枚,おしべ5本。果実は径約4mmの楕円形の蒴果(さくか)で,あらい毛がある。葉をもんで傷口やはれものを治すのに用いる。また,若葉は野菜として利用されることがあり,皮からじょうぶな靱皮繊維を得ることができる。ノジアオイ属Melochiaには熱帯を中心に約60種がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノジアオイ」の意味・わかりやすい解説

ノジアオイ
のじあおい / 野路葵
[学] Melochia corchorifolia L.

アオギリ科(APG分類:アオイ科)の一年草。茎は高さ30~90センチメートル、分枝して、まばらな星状毛がある。葉は長柄があって互生し、広卵形で長さ2~5センチメートル、幅1.5~4センチメートル、浅く3裂し、上面中央脈に粗毛、縁(へり)に鋸歯(きょし)がある。夏から秋、枝先に淡紅色花を集めて開く。花弁は5枚、雄しべは5本で花糸は合体する。萼(がく)は鐘形、その下に線形の小包葉が4枚ある。果実は扁球(へんきゅう)形、細毛がある。海辺の道端に生え、四国南部から沖縄に分布する。本属は熱帯から亜熱帯に約60種分布する。

[小林純子 2020年4月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノジアオイ」の意味・わかりやすい解説

ノジアオイ(野路葵)
ノジアオイ
Melochia corchorifolia

アオギリ科の一年草。アジアの熱帯に広く分布し,日本では四国,九州の南部,南西諸島小笠原諸島の海岸に近い路傍などに生える。茎は直立し,高さ 60cm内外でよく分枝する。葉は互生し,卵形で縁に浅い鋸歯があり,またときどき3つに浅裂することもある。葉柄の基部には針状の托葉がある。夏から秋にかけて,枝先に淡紅色の小花が集ってつく。萼は短い鐘状で5つに裂け,5枚の花弁は倒卵形で長さ 7mm内外あり,5本あるおしべは癒合して単体おしべをつくっている。

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