日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハマニンニク」の意味・わかりやすい解説
ハマニンニク
はまにんにく / 浜蒜
[学] Leymus mollis (Trin. ex Spreng.) Pilg.
Elymus mollis Trin.
イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。北海道のアイヌが、本種の葉を乾かして「テンキ」と称する糸や針を収納する小形の容器を編んだことから、テンキグサともいう。根茎は太く、長く地中をはう。稈(かん)は堅く、高さ0.7~1メートル。葉は広線形で白緑色。6~7月、稈の先端に長さ10~25センチメートルの直立する穂状花序をつける。花序以下は白い軟毛が生える。小穂は長さ1~2.5センチメートル、無柄で花軸に圧着してつく。包穎(ほうえい)は披針(ひしん)形、護穎とほぼ同長で内折する。護穎に芒(のぎ)はない。海岸砂地に群生し、北海道から九州、およびシベリア、北アメリカに分布する。
[許 建 昌 2019年9月17日]
APG分類により、再編成されてハマニンニクはエゾムギ属からテンキグサ属となった。
[編集部 2019年9月17日]