ハリッジ(その他表記)Harwich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハリッジ」の意味・わかりやすい解説

ハリッジ
Harwich

イギリスイングランド東部,エセックス県北東端,テンドリング地区の都市。県都チェルムスフォード東北東約 60km,北海に臨む港湾都市で,ストゥア川とオーウェル川が河口に形成する三角江(エスチュアリー)に突出した岬の先端にある。885年アルフレッド大王デーン人の船 16隻をこの三角江内で沈めた古戦場。14世紀には羊毛コムギの貿易港として栄え,17世紀には造船業の中心地となり,第1次世界大戦中は重要な軍港であった。港はイングランド東岸の良港の一つであり,干潮時の水深は約 5m,避難港としても重要。今日ではおもに北ヨーロッパ諸国との貿易港で,コンテナ輸送が盛ん。また同方面との間に旅客船,郵便船なども就航。各種軽工業が立地し,漁業も行なわれる。南西のドーバーコート海岸は海浜保養地。人口 2万130(2001)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハリッジ」の意味・わかりやすい解説

ハリッジ
Harwich

イギリス,イングランド南東部,エセックス州北東端にある港湾都市。人口1万5076(1981)。ストゥア川とオーウェル川が形成するエスチュアリー(三角江)の湾口に位置し,イングランド東部の良港として,オランダフック・ファン・ホラントはじめ大陸との連絡港,また避難港,漁港の機能を有する。造船のほかセメント,機械工業も行われる。885年にアルフレッド大王がこの港でデーン人の船を破った記録が残るが,自治都市になったのは1319年で,17世紀に造船業が栄えた。フロビッシャーM.Frobisherは1578年にここから北極探検へ出港した。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハリッジ」の意味・わかりやすい解説

ハリッジ
はりっじ
Harwich

イギリス、イングランド南東部、エセックス県にある港湾都市。ハリッチとも発音する。スタウア川とオーウェル川の合成三角江の南岸に臨む。人口1万8436(1991)。中世の雰囲気を残す市街地は砂嘴(さし)の上に細長く延び、その先端部に港がある。港はオランダのフック・ファン・ホラントなど大陸との間に連絡船が発着し、漁港でもある。砂嘴の付け根は砂浜で、良好な海浜保養地となっている。小型船建造やセメント工業が立地。メイフラワー号のクリストファー船長宅が保存されている。

[久保田武]

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