日本大百科全書(ニッポニカ) 「バウムガルテン」の意味・わかりやすい解説
バウムガルテン
ばうむがるてん
Alexander Gottlieb Baumgarten
(1714―1762)
ドイツのウォルフ学派の哲学者、美学者。ベルリンで生まれ、ハレで勉強し、1740年以降死ぬまでフランクフルト大学の教授であった。実践哲学と理論哲学に先だって認識学をたて、その認識学を感性的認識論としての美学と悟性的認識論としての論理学に分けた。彼は美学を低次の認識学としたにもかかわらず、感性的認識の独自な構造を示して、感性的現象を悟性的な根拠へさかのぼることを否定した。この点で哲学体系のなかに美学を位置づける重要な業績を残した。彼の『形而上(けいじじょう)学』(1739)を中心とする著作は、カントをはじめとしたドイツの思想界で大きな影響力をもった。
[佐藤和夫 2015年3月19日]