バビッチ(読み)ばびっち(英語表記)Babits Mihály

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バビッチ」の意味・わかりやすい解説

バビッチ
Babits Mihály

[生]1883.11.26. セクサールド
[没]1941.8.4. ブダペスト
ハンガリー詩人,小説家,評論家。象徴派の詩人として出発,雑誌『西洋』を主宰して芸術派の先頭に立った。ニーチェ,ベルグソンらの影響を受け,主知的な深い思想性が作品にみられる。詩集『叙唱部』 Recitativ (1916) ,『ヨナ書』 Jónás könyve (37~38) ,小説『死の息子たち』 Halál fiai (27) のほか,『ヨーロッパ文学史』 Az európai irodalom története (34) や,ダンテの『神曲』のすぐれた翻訳がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バビッチ」の意味・わかりやすい解説

バビッチ
ばびっち
Babits Mihály
(1883―1941)

ハンガリーの詩人、小説家。同時代の詩人アディの急進的思想に対して芸術のための芸術を主張、特異な詩構成を示し、とくに哲学詩をよくした。アディの死後文芸雑誌『西洋』を主宰し文壇の中心的存在となった。政治的にも保守主義者であったが、詩人としての鋭い厭戦(えんせん)感覚がとらえた『復活祭以前』(1917)、『ヨナの本』(1940)はともに反戦詩として高く評価されている。ほかに小説『死の息子たち』(1927)や、文学観の集大成である『ヨーロッパ文学史』(1934~35)などがある。

[岩崎悦子]

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