日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーグマン」の意味・わかりやすい解説
バーグマン
ばーぐまん
Ingrid Bergman
(1915―1982)
スウェーデン出身の女優。ストックホルムに生まれ、王立演劇学校卒業後、1934年から数本の映画に主演した。製作者デビッド・O・セルズニックに招かれて渡米、『別離』(1939)に主演。1940年代には『カサブランカ』(1942)、『誰(た)が為(ため)に鐘は鳴る』(1943)、『ガス燈(とう)』(1944。アカデミー主演女優賞)、『汚名』(1946)と、作品にも恵まれ、情熱的な演技と美貌(びぼう)でトップスターの座についた。しかし、イタリアのロベルト・ロッセリーニ監督の映画に感動し、1950年に夫と一女を捨てて彼のもとに走り『ストロンボリ』に主演し、結婚。この事件でアメリカ映画界から締め出されたが、1956年の『追想』でカムバックし、再度アカデミー主演女優賞を受けた。1958年に演劇プロデューサー、ラース・シュミットと結婚。晩年は癌(がん)と闘いながら、舞台を主に、『オリエント急行殺人事件』(1975。アカデミー助演女優賞)、『秋のソナタ』(1978)などに出演を続け、ロンドンに没した。自伝『マイ・ストーリー』(1980)がある。
[畑 暉男]
『I・バーグマン、A・バージェス共著、永井淳訳『イングリッド・バーグマン マイ・ストーリー』(1982・新潮社)』