バーター貿易(読み)ばーたーぼうえき(英語表記)barter trade

翻訳|barter trade

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バーター貿易」の意味・わかりやすい解説

バーター貿易
ばーたーぼうえき
barter trade

二国間で貿易商品の種類や数量、金額などを相互に取り決めて、一定期間内で貸借差額が出ないよう輸出入額の均衡を図る貿易方式をいう。この方式は売買結果が一致するので外国為替(かわせ)による代金決済を必要としないため、表面的には物々交換と同じにみえるが、実質は売買契約に基づく物品取引である。バーター貿易は、1930年代の世界恐慌のとき、各国の対外収支の均衡が破壊されたため外貨決済を節約する意味で広く行われた。第二次世界大戦後は、東西貿易や対発展途上国貿易において行われている。社会主義諸国や発展途上国は、対外支払いにあてる外貨が不足しているため、それら諸国への輸出は、それと抱き合わせに見返り輸入が求められるのである。なお、バーター貿易の決済方法には、バック・ツー・バック信用状back-to-back L/C(輸入信用状輸出信用状を同時に開設するもの)、エスクロ信用状escrow L/C(先に輸入した国の輸入商が、その輸入代金を信用状開設銀行に積み立て、あとから輸入する国の輸入商は、その積立金を取り崩して代金を決済するもの)、トーマス信用状TOMAS L/C(一定期間内にかならず見返り信用状を開設する旨の相手方の保証状によって有効となるもの)などがある。

[秋山憲治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バーター貿易」の意味・わかりやすい解説

バーター貿易
バーターぼうえき

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