翻訳|patrol car
警察の緊急車両の一種で、パトカーと略称される。制服警察官が乗車し、一見して警察とわかるように、車体が白と黒に塗り分けられている。地域警察部門が用いる警ら用無線自動車と、交通警察部門が用いる交通取締り用自動車とがある。警ら用無線自動車は、パトロール(警察官が警戒しながら巡回すること)に用いられ、乗車した警察官が職務質問や現行犯人の逮捕、交通指導取締り等を行う。無線通信機器を備え、警察本部や警察署、他のパトロール・カーと連絡をとりながら活動し、犯罪や事故の発生などが110番で通報された場合には即時に対応する。交通取締り用の自動車は、交通違反の指導取締り等に専らあたっている。パトロール・カーは、1950年(昭和25)6月、警視庁がアメリカ軍から払い下げを受けた小型乗用車3台を用いたのが最初である。現在では、各警察署で用いられているほか、警察本部の自動車警ら隊や交通機動隊でも用いられている。警察の車両には、このほかに、いわゆる白バイと通称される交通指導・取締り用のオートバイや、ミニパトと通称され、交番、駐在所等に配置され、あるいは駐車違反取締り等に用いられる小型のパトロール・カーも都道府県警察に配備されている。これに対し、警察の緊急車両のなかには、一般の車両と同様の外観のものがあり、「覆面パトカー」とよばれている。緊急走行する場合には備え付けられた反転式または着脱式の警光灯が用いられる。交通取締用のほか、捜査用のものがある。
[田村正博]
パトカーともいう。警察官が乗って巡視,警戒,取締り,指導などにあたる自動車。無線警ら車と交通取締用四輪車(通称交通パトカー)がある。アメリカやヨーロッパでは1930年代から使用されていたが,日本ではこのような目的のパトロールカーは50年6月警視庁に3台が配備され試験的に活動を開始したのが最初である。交通パトカーの誕生は57年で,61年には高速道路交通警察隊も発足し,主要幹線道路や高速道路において活動している。ミニパトカーは72年に都市交通の円滑化と安全を図るため主として違法駐車取締用として導入されたもので,婦人警察官によって運用され,広報活動にも用いられている。
パトロールカーのおもな装備は,無線機,パトカーの居どころが本庁の通信指令本部でひと目でわかるためのカーロケーター,散光式警光灯,足踏みスイッチも備えたサイレン,スピーカー,パトロールスピードメーター,助手席用ミラー,警棒格納装置などである。サイレンはふつうのサイレンと電子サイレンの2種とも装備され,静かな住宅地や夜間には電子サイレンが用いられる。トランクの中の携帯品は,防弾チョッキ,ヘルメット,探索灯,証拠保存用通行帯,レスキューバール,酔っぱらい保護シート,救命浮輪,盾,ロープなど。性能はまず第1に故障しないように信頼性・耐久性を,そして安全性を重視している。エンジンにおける冷却系統や燃料系統の改善,足まわりにおける耐久性の強化のほか,電気系統の雑音防止などが目だつ。
執筆者:小口 泰平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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