パナイティオス(読み)ぱないてぃおす(英語表記)Panaitios

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パナイティオス」の意味・わかりやすい解説

パナイティオス
ぱないてぃおす
Panaitios
(前185ころ―前109)

古代ギリシアのストア派哲学者ロードス島に生まれ、アテネローマで教えた。プラトンアリストテレス思想に傾倒して初期ストア派の教説を大改定し、折衷的な中期ストア派をおこした。ローマの貴族たちと交わり、彼らにストア思想を植え付けた功績が大きい。そしてここでも伝統的ストアの不受動(アパテイア)の徳にかえて、彼ら政治家や軍人にふさわしい能動的な徳(高邁(こうまい)や仁慈の徳)を説くことになった。

[田中享英 2015年1月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パナイティオス」の意味・わかりやすい解説

パナイティオス
Panaitios

[生]前185頃.ロードス
[没]前109頃.アテネ
中期ストア派の哲学者。セレウケイアのディオゲネス弟子。ローマに出てラエリウスや小スキピオらと交わりローマにおけるストア哲学基礎となった。のちアンティパトロスを継いでストア派の学頭。彼の"Peri kathēkontos"はキケロの『義務について』の範型となったといわれるが現存しない。

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