ヒドララジン塩酸塩系製剤（読み）ヒドララジンエンサンエンケイセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

ヒドララジン塩酸塩系製剤

製品名
《ヒドララジン塩酸塩製剤》
アプレゾリン（サンファーマ、田辺三菱製薬）

　末梢の動脈を拡張させて緊張をゆるめ、血圧を下げる薬で、本態性高血圧症の治療に用います。通常は副作用を予防し、降圧効果を高めるために降圧利尿剤と併用し、この薬の使用量を減らします。

　また、妊娠高血圧症候群による高血圧症治療にも使用します。

①過敏症状（発疹ほっしんなどのアレルギー症状）、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸おうだん、発熱・紅斑などの全身性エリテマトーデス様症状、呼吸困難、急性腎障害、多発性神経炎、血管炎、溶血性貧血、汎血球減少、うっ血性心不全、麻痺性イレウス、狭心症発作誘発が現れることがあります。このような症状が現れたときは使用を止め、すぐ医師に相談してください。また、薬の効果と副作用出現の有無をチェックするために、医師から指示された検査は必ず受けてください。

②頭痛、頻脈（脈が速くなる）、動悸どうき、顔のほてり、吐き気・嘔吐おうと、食欲不振、ねむけ、うつ状態、めまい、神経過敏、起立性低血圧、口の渇き、便秘、鼻づまりなどが現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。

①散剤と錠剤があり、食後の服用が原則です。1日の服用回数と服用する時間・1回の服用量については、医師の指示をきちんと守り、かってに中止したり、減量・増量しないでください。

　服用を忘れたときに、2回分をいちどに服用すると血圧が下がりすぎて、めまい、転倒などがおこることもあります。

　服用するときは、十分な水（コップ1杯以上の水）で飲んでください。

②問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告するとともに、使用前に薬の効果と副作用について医師・薬剤師からよく説明を聞き、注意事項をきちんと守ってください。

　とくに、虚血性心疾患がある人、大動脈弁狭窄きょうさく、僧坊弁狭窄および拡張不全による心不全がある人、高度の頻脈および高心拍出性心不全がある人、頭蓋内出血の急性期、また脳血管障害、解離性大動脈瘤、この薬の成分で過敏症状をおこしたことがある人は、使用でききません。必ず医師に報告してください。

③使用中にめまいやふらふら感がおこることがあります。自動車の運転、高所での作業などにたずさわる人は、医師に相談してください。

④減塩、カロリー制限などを指示された食事療法は正しく守ってください。

　食事療法を守らないと、降圧剤が十分効果を発揮しないことがあります。

⑤妊婦あるいは現在妊娠する可能性のある人、母乳で授乳中の人は、必ず医師に伝えてください。

⑥小児が使用する場合は、医師の指示をより厳重に守ってください。

⑦この薬を使用中にほかの薬を使用する必要が生じたときは、必ず医師に相談してください。とくにモノアミン酸化酵素（MAO）阻害剤、フェノチアジン系精神神経用剤と併用すると、過度の血圧低下をおこすことがあるので用量に注意してください。。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版