ビルケラン(読み)びるけらん(英語表記)Kristian Birkeland

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビルケラン」の意味・わかりやすい解説

ビルケラン
びるけらん
Kristian Birkeland
(1867―1917)

ノルウェー物理学者。王立フレデリック(現在のオスロ)大学教授。1903年に高電圧のアークに対する磁場の影響についての実験から、磁場で円盤状に広げたアークが高温での窒素酸化の効率を高めることを発見して、空中窒素固定法の最初の特許を得た。翌1904年、機械技師のアイデの協力を得て工業化に成功、1905年よりノルウェー水力電気肥料会社により大規模に生産した。製品はノルウェー硝石とよばれたが、電力の安価な場所でなければ成立しえない方式であり、ハーバーアンモニア合成法が工業化されることにより消滅した。ほかに、地磁気およびオーロラについての研究がある。1917年(大正6)来日したが、東京で自殺した。

[加藤邦興]

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改訂新版 世界大百科事典 「ビルケラン」の意味・わかりやすい解説

ビルケラン
Christian Birkeland
生没年:1867-1917

ノルウェーの物理学者,化学者,地球物理学者。クリスティアニア(現,オスロ)に生まれ,クリスティアニア,パリ,ボンの各大学に学び,1898年よりクリスティアニア大学物理学教授となる。電磁理論電気振動太陽黒点理論,また地磁気やオーロラの観測など,物理学を基礎とした広範な研究を行った。1903年技師のS.エイデとともに電気火花(アーク)を使って空中窒素を固定硝酸を得るビルケラン=エイデ法を発明硝酸カルシウム(ノルウェー硝石)製造の工業化に成功した。17年夏,来日中に東京のホテルで服毒自殺した。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ビルケラン」の解説

ビルケラン Birkeland, Kristian

1867-1917 ノルウェーの物理学者。
1867年12月13日生まれ。クリスティアニア大(現オスロ大)教授。1903年空中窒素の固定にはじめて成功。オーロラ,地磁気研究にも業績がある。大正6年天体観測でおとずれたエジプトからの帰国途中日本にたちより,寺田寅彦(とらひこ)東京帝大教授と地磁気について意見を交換した。同年6月18日東京のホテルで睡眠薬をのみ自殺。49歳。

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百科事典マイペディア 「ビルケラン」の意味・わかりやすい解説

ビルケラン

ノルウェーの物理学者,天文学者,化学者。1898年よりクリスティアニア(オスロ)大学教授。電磁理論,電気振動などの物理学的研究が多い。太陽の内部構造および黒点の理論をたてた。地磁気,オーロラの観測を行い,そのオーロラ発光に関する模型実験は有名。大気中の窒素を固定して硝酸カルシウムを製造する方法をエイデとともに完成。東京で自殺。

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