改訂新版 世界大百科事典 「ピーターと狼」の意味・わかりやすい解説
ピーターと狼 (ピーターとおおかみ)
Petya i volk
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
プロコフィエフが1936年に作曲した朗読付き管弦楽曲(作品67)で、作者は「交響的物語」とよんでいる。青少年をオーケストラ音楽に親しませることを目的とした啓蒙(けいもう)的作品で、台本は作曲者自身による。勇敢な少年ピーターが機知を働かせて狼を生け捕りにするまでを描いたおとぎ話は語り手の朗読で語られ、小鳥はフルート、アヒルはオーボエ、猫はクラリネットなど、脇役(わきやく)を含めた各登場人物には、それぞれ固有の楽器と主題が与えられている。啓蒙的作品とはいえ、効果的な管弦楽法と主題構成の巧みさは初演当時から高く評価され、その後世界中で広く親しまれるに至った。36年モスクワの児童劇場で初演。日本初演は48年(昭和23)近衛秀麿(このえひでまろ)指揮の東宝(現東京)交響楽団であった。
[三宅幸夫]
…また映画音楽《キージェ中尉》(1933。34年交響組曲に改編された),バレエ曲《ロミオとジュリエット》(1936),音楽童話《ピーターと狼》(1936)などがあるが,これらはすでにソビエト的なわかりやすい作品である。 36年ソ連でプロコフィエフを待ち受けていたのは,ショスタコービチのオペラに対する《プラウダ》の批判に象徴される厳しい文化政策であった。…
※「ピーターと狼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」