日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェロニー」の意味・わかりやすい解説
フェロニー
ふぇろにー
felony 英語
felonia ラテン語
封建領主と家臣との間で、家臣が主君やその家族、あるいは主君が家臣の生命、身体、名誉を侵害した場合、主君が理由なく家臣のレーン(封)を没収した場合、外敵との内通など、広く誠実義務に違反すること。その後しだいに重罪をさすようになり、イギリスでは、コモン・ロー上、謀殺、故殺、夜盗、住居侵入、窃盗(せっとう)、重婚、強姦(ごうかん)などが重罪とされた。財産の没収を伴う罪で、もともとフェロニーに対する刑はすべて死刑であり、証人も弁護人も許されなかったが、1702年から証人が、1837年から弁護人が認められ、1870年に財産没収が廃止された。1967年には重罪と軽罪の区別も廃止された。アメリカでは州により異なり、重罪は、死刑または州刑務所への拘禁(こうきん)、あるいは、死刑または重労働拘禁で処罰される罪としている。
[佐藤篤士]