ブクステフーデ(読み)ぶくすてふーで(英語表記)Dietrich Buxtehude

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブクステフーデ」の意味・わかりやすい解説

ブクステフーデ
ぶくすてふーで
Dietrich Buxtehude
(1637―1707)

ドイツ・バロック期の作曲家、オルガン奏者。北ドイツ・オルガン楽派を代表する巨匠として若きバッハに決定的な影響を与えた。おそらく北ドイツ、ホルシュタイン地方のオルデスローエに生まれ、ヘルシンボルクとヘルシンゲールのオルガン奏者を経て、1668年リューベックの聖マリア教会オルガン奏者となり、1707年5月9日に没するまでそこにとどまった。前任者フランツ・トゥンダーによって1648年に始められた教会音楽会「夕べの音楽」をクリスマス前の五つの日曜日に集中させ、その名声を高めた。そこで演奏された声楽作品はイタリアの影響が強く、純ドイツ的なオルガン曲と好対照をなしている。オルガン曲は、足鍵盤(けんばん)を豪快に用いた幻想曲に特徴がある。『トリオ・ソナタ集』(ハンブルク、1696)などの室内楽曲も残っている。

樋口隆一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブクステフーデ」の意味・わかりやすい解説

ブクステフーデ
Buxtehude, Dietrich

[生]1637. オルデスロエ
[没]1707.5.9. リューベック
ドイツの作曲家,オルガン奏者。 1657年ヘルシングボリ,60年ヘルシンゲル,68年から死ぬまでリューベックの聖母マリア教会のオルガン奏者をつとめた。 73年以降先任者トゥンダーから受継いだ「夕べの音楽」を拡充して主宰し,1705年には 20歳のバッハがこれを聞きに訪れ,教えを受けた。現在 100曲以上のカンタータ,オルガン曲,弦楽合奏用のソナタなどの作品が残っている。

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