ベレムナイト(読み)べれむないと

デジタル大辞泉 「ベレムナイト」の意味・読み・例文・類語

ベレムナイト(belemnites)

中生代ジュラ紀から白亜紀にかけて繁栄した、軟体動物頭足類に属する海生の化石動物現生ヤリイカコウイカ類似外套膜がいとうまくに覆われた緻密な石灰質さや化石として残りやすく、そのやじりのような形状から、ベレムナイトの化石は矢石やいし箭石)ともよばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ベレムナイト」の意味・わかりやすい解説

ベレムナイト
belemnite

軟体動物,頭足類に属する絶滅海生化石動物のベレムナイト目Belemnitidaの総称。矢(箭)石(やいし)類ともいう。代表属はベレムニテスBelemnites。ジュラ紀と白亜紀に栄え,第三紀の始新世ごろまで存続した。ベレムナイトの軟体部は,イギリスやドイツのジュラ紀のケツ岩のなかに,腕を含む軟体部の形が周囲の炭化した膜として保存されていたことで明らかにされた。それによると腕の数は6,吸盤の代りに魚の目状のかぎ,墨汁囊(ぼくじゆうのう)もありイカに似ていた。最大の種類では,体長がほぼ2mに近い。その体内には3部分に分かれた殻をもっていた。一部は長円錐状または指状に伸びた石灰質のさやで,化石として多く産出する。保存のよい場合には,さやに先端がはまりこんだ円錐状の閉錐があり,これは隔壁によって多数の室に分かれている。閉錐の前方にへら状の前甲がある。ベレムナイトの語源はギリシア語のbélemn(on)で,投槍という意味であるが,それはさやの形から由来している。白亜紀の数属数種は,ヨーロッパで示準化石とされている。分布を調べてみると,一般に浅い陸棚を生活の場としていたことがわかった。ベレムナイトは成長するにつれ,さやの断面が準同心円状に大きくなっていったと考えられるので,これをつくる炭酸カルシウム酸素同位体比は生成時の海水温度と比例的関係にあるとして,しばしば古水温測定の資料に使用される。日本では岩手県宮古層群産の白亜紀ベレムナイトが著名である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベレムナイト」の意味・わかりやすい解説

ベレムナイト
べれむないと

箭石

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベレムナイト」の意味・わかりやすい解説

ベレムナイト

矢石類」のページをご覧ください。

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