ローマの詩人。ルキリウス,ホラティウス,ユウェナリスとともにローマの代表的風刺詩人の一人である。エトルリア地方の騎士身分の家に生まれた。少年時代にローマに上り,16歳のときにストアの哲学者コルヌトゥスLucius Annaeus Cornutusの門に入り,彼との交流を通じて,叙事詩人ルカヌスらと交友関係をもつようになった。彼の死後,コルヌトゥスによって公刊された詩集1巻は,6歌650行と短い序文から構成されている。彼の作品は,思想面ではストア哲学の影響を強く受けている一方,スタイルの方はホラティウスに多くを負っている。ネロ帝の治下に創作されたその風刺詩は,当時の世相への言及は少ないけれども,すでに次世代のクインティリアヌスらによって風刺詩の古典として称揚されたばかりでなく,古代・中世を通じて広く読まれた。
執筆者:平田 真
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…またそのほかの散文作家には,小説《サテュリコン》の作者ペトロニウス,百科全書《博物誌》の著者の大プリニウス,《書簡集》を残した雄弁家の小プリニウス,農学書を残したコルメラ,2世紀に入って,《皇帝伝》と《名士伝》を著した伝記作家スエトニウス,哲学者で小説《黄金のろば(転身物語)》の作者アプレイウス,《アッティカ夜話》の著者ゲリウスなどがいる。 詩の分野ではセネカの悲劇のほかに,叙事詩ではルカヌスの《内乱(ファルサリア)》,シリウス・イタリクスの《プニカ》,ウァレリウス・フラックスの《アルゴナウティカ》,スタティウスの《テバイス》と《アキレイス》など,叙事詩以外ではマニリウスの教訓詩《天文譜》,ファエドルスの《寓話》,カルプルニウスCalpurniusの《牧歌》,マルティアリスの《エピグランマ》,それにペルシウスとユウェナリスそれぞれの《風刺詩》などがみられる。2世紀初頭に創作したユウェナリスのほかはすべて1世紀の詩人たちである。…
※「ペルシウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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