ペルシウス(英語表記)Aulus Persius Flaccus

精選版 日本国語大辞典 「ペルシウス」の意味・読み・例文・類語

ペルシウス

  1. ( Aulus Persius Flaccus アウルス━フラックス ) 古代ローマ風刺詩人。ストア派思想にたって、徳を求める情熱的な詩を書いた。六編の風刺詩のみ現存する。(三四‐六二

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改訂新版 世界大百科事典 「ペルシウス」の意味・わかりやすい解説

ペルシウス
Aulus Persius Flaccus
生没年:34-62

ローマの詩人ルキリウスホラティウスユウェナリスとともにローマの代表的風刺詩人の一人である。エトルリア地方の騎士身分の家に生まれた。少年時代にローマに上り,16歳のときにストアの哲学者コルヌトゥスLucius Annaeus Cornutusの門に入り,彼との交流を通じて,叙事詩人ルカヌスらと交友関係をもつようになった。彼の死後,コルヌトゥスによって公刊された詩集1巻は,6歌650行と短い序文から構成されている。彼の作品は,思想面ではストア哲学の影響を強く受けている一方,スタイルの方はホラティウスに多くを負っている。ネロ帝の治下に創作されたその風刺詩は,当時の世相への言及は少ないけれども,すでに次世代のクインティリアヌスらによって風刺詩の古典として称揚されたばかりでなく,古代・中世を通じて広く読まれた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペルシウス」の意味・わかりやすい解説

ペルシウス
ぺるしうす
Aulus Persius Flaccus
(34―62)

古代ローマの風刺詩人。ルキリウス以来の伝統を継承して六編の風刺詩を残す。第一歌以外は風刺詩というより訓戒詩で、日常生活の実例を用いながらストア派の道徳教義を説いている。文章は難解な比喩(ひゆ)や暗示に富み、ホラティウスの柔軟性品格調和はないが、力強いことばには、厳しい求道精神と激しい情熱が現れている。

[中山恒夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペルシウス」の意味・わかりやすい解説

ペルシウス
Persius Flaccus, Aulus

[生]34. エトルリア,ウォラテラエ
[没]62
ローマの詩人。 12歳のときローマに出て文学修辞学を修め,16歳でストア派の哲学者コルヌツスの学校に学び,ルカヌスと親交を結んだ。生涯公職につかず,夭折。死後コルヌツスが遺作のなかから『風刺詩』 Saturae (6編およそ 650行) を出版して後世に伝えた。

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百科事典マイペディア 「ペルシウス」の意味・わかりやすい解説

ペルシウス

ローマの風刺詩人。ストア哲学を学び,富よりも徳を勧める6歌650行の風刺詩を残し,次世代のクインティリアヌスらによって称賛された。

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世界大百科事典(旧版)内のペルシウスの言及

【ラテン文学】より

…またそのほかの散文作家には,小説《サテュリコン》の作者ペトロニウス,百科全書《博物誌》の著者の大プリニウス,《書簡集》を残した雄弁家の小プリニウス,農学書を残したコルメラ,2世紀に入って,《皇帝伝》と《名士伝》を著した伝記作家スエトニウス,哲学者で小説《黄金のろば(転身物語)》の作者アプレイウス,《アッティカ夜話》の著者ゲリウスなどがいる。 詩の分野ではセネカの悲劇のほかに,叙事詩ではルカヌスの《内乱(ファルサリア)》,シリウス・イタリクスの《プニカ》,ウァレリウス・フラックスの《アルゴナウティカ》,スタティウスの《テバイス》と《アキレイス》など,叙事詩以外ではマニリウスの教訓詩《天文譜》,ファエドルスの《寓話》,カルプルニウスCalpurniusの《牧歌》,マルティアリスの《エピグランマ》,それにペルシウスとユウェナリスそれぞれの《風刺詩》などがみられる。2世紀初頭に創作したユウェナリスのほかはすべて1世紀の詩人たちである。…

※「ペルシウス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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