ボーデの法則(読み)ボーデのほうそく(英語表記)Bode's law

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボーデの法則」の意味・わかりやすい解説

ボーデの法則
ボーデのほうそく
Bode's law

太陽惑星距離の間に成り立つ経験的な法則。チチウスボーデの法則ともいう。 1766年にドイツの天文学者ヨハン・ダニエル・チチウスによって初めて提唱され,ドイツ人のヨハン・エラート・ボーデによって 1772年以降広められた。かつては太陽系の形成との関連で重要性をもつ可能性が考えられたが,現在では,ボーデの法則は特別な根拠をもたない奇妙な数の列でしかない。
ボーデの法則の一つの言い方は,次のようになる。まず,0,3,6,12,24,…のように3のあとの数がそれぞれの2倍になっている数列を考える。各数字に4を加えて,10で割算する。最初の七つは,0.4,0.7,1.0,1.6,2.8,5.2,10.0となり,2.8を例外として,六つの数が,チチウスの当時に知られていた六つの惑星 (水星金星地球火星木星土星 ) と,太陽との距離を天文単位 (太陽と地球の平均距離。 AUと書く) で表したものと一致する。火星と木星の間にくる,太陽から約 2.8AUの距離には,1801年にケレスという小惑星が発見されて以来多数の小惑星が見つかっている。この法則は,1781年に発見された約 19AUのところにある第7惑星天王星にもあてはまった。しかし,1846年に発見された第8惑星の海王星の距離を正確に予測することはできず,また,1930年の発見当時には惑星と考えられた冥王星にもあてはまらない。

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