ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マカダム」の意味・わかりやすい解説
マカダム
McAdam, John Loudon
[没]1836.11.26. モファット
道路の舗装方法であるマカダム工法を考案したイギリス,スコットランドの技術者。1770年にアメリカ合衆国のニューヨークに渡り,商人である叔父の会計事務所に入る。相当の財をなして 1783年に帰国し,エアシャーのソシュリーに地所を購入。在住する行政地区の道路管理官に就任し,この地域の幹線道路が劣悪な状態にあることを知ると,私財を投じて何度も道路建設の実験を行なった。1798年にコーンウォールのファルマスに移り,政府から任じられて実験を続けた。水はけをよくするために道路を周囲の土地より高くすることや,最下層に大粒の砕石,その上に小さめの砕石を敷き詰めておし固め,細かい砕石やスラグによって全体をかみ合わせる方法を提案した。1815年,ブリストルの道路監督長に任命され,みずから考案した方法を実行に移す。その記録として "Remarks on the Present System of Road-Making"(1816)と "Practical Essay on the Scientific Repair and Preservation of Roads"(1819)を著した。1823年,道路建設に関する議会調査の結果,マカダム工法は公的に用いられるところとなり,1827年マカダムはイギリス都市道路監督長官に任命された。マカダム工法による舗装道路の建設は人や情報の往来を大いに促進した。ほどなくマカダム工法はアメリカをはじめとする諸外国でも取り入れられた。
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