メギド(英語表記)Megiddo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メギド」の意味・わかりやすい解説

メギド
Megiddo

エスドラエロン平野を見おろす古代パレスチナの都市。ハイファの南南東約 30kmにあり,軍事上,交易上の要衝。アラブ名テルアルムテセリム。現在は遺跡。 1925~39年に発掘調査が行なわれた。最古の村落は前4千年紀の初期とされる。青銅器時代を通じて,厚い城壁,城門,宮殿神殿などを備えた都市国家として栄え,エジプトアマルナ文書にも現れる。前 1468年頃には城下でエジプトのトゥトモス3世の軍とカナン連合軍との間で戦いが行なわれた。エジプトの属国となってからも繁栄したことは初期のフェニキア風象牙細工の出土が示している。のちイスラエル人の城塞都市となり,ソロモンによって軍事基地として整備された。エジプトのシェションク1世 (前 930頃) ,アッシリアのティグラト=ピレゼル3世 (前 733) ,エジプトのネコ2世 (前 609) の攻撃によって破壊されたが,町は前 450年頃まで存続した。 2005年聖書のテル群として,ハゾルベールシェバとともに世界遺産に登録された。

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