メダケ(読み)めだけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メダケ」の意味・わかりやすい解説

メダケ
めだけ / 雌竹
女竹
[学] Pleioblastus simonii (Carr.) Nakai

イネ科のタケ・ササ類。全体に毛はない。稈(かん)は剛壮で高さ3~4メートル、径2~3センチメートルに達する。葉は狭披針(きょうひしん)形で長さ20~25センチメートル、幅約2センチメートル、薄く、先は垂れる。稈や枝の節に花穂を密につける。稈は丸竹のまま、または割って細工物など種々に利用する。

 メダケ属は、稈は直立し、一つの節から枝が多数出る。葉鞘(ようしょう)の上縁は無毛であるが、平滑な肩毛(かたげ)がある。雄しべは3本。北海道から沖縄の山野に16種分布し、ほかに4種の園芸品種がある。

[鈴木貞雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メダケ」の意味・わかりやすい解説

メダケ(女竹)
メダケ
Arundinaria simonii

イネ科のメダケ属の1種。関東南部以西,四国,九州に分布し,山野,河岸海辺などに生える常緑のタケ。別名が多くカワタケ,ナヨタケ,ニガタケなどと呼ばれる。地下茎で繁茂し,藪となって群生する。稈は高さ 6mほどになり,中空円筒形で,上部は密に分枝し,節は低く節間は長い。葉は掌状に枝先から斜めにつく。ときおり開花をみるが,のちに枯死する。稈は軟らかで粘性が強いので,ざる,うちわの骨,笛,建築用材に用いられる。

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