メージャー(読み)めーじゃー(英語表記)John Major

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メージャー」の意味・わかりやすい解説

メージャー
めーじゃー
John Major
(1943― )

イギリスの政治家。両親はサーカスの芸人。公立高校卒業。16歳で実社会に出て、建設労働者やバスの運転手などの職を転々とした。22歳のとき、銀行に職を得て頭角を現し、役員にまで昇進した。地方議員を経て、1979年、下院議員に初当選サッチャー首相の信頼を得て1989年7月に外相、同年10月に財務相に抜擢(ばってき)された。折衝、実務能力に優れ、財務相時代には、予算要求を切りまくる手腕をみせた。サッチャー首相の辞任の後を受けて、1990年11月、46歳で首相となった。自分の才覚でたたきあげてきた苦労人で、「福祉で人を怠け者にする労働党より、自力ではいあがる人を助ける保守党」が主義。欧州連合条約マーストリヒト条約)への対応のもたつきや、失業率が高く、景気回復も容易に望めない現状のなか、1993年6月の世論調査での支持率は21%に急落し、戦後の歴代首相としての最低記録となった。1995年7月、保守党臨時党首選で再選され、新内閣を組閣したが、1997年5月の総選挙で保守党が惨敗し、首相を辞任。2001年に議員を引退した。1993年(平成5)9月に来日。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メージャー」の意味・わかりやすい解説

メージャー
Major, John

[生]1943.3.29. マートン
イギリスの政治家。サーカス団員の子として生れる。建設労働者を経て,銀行に勤務。地方議員を経て 1979年下院議員に当選。サッチャー政権下,87年大蔵担当閣内相,89年外相を歴任。サッチャー首相の辞任後の保守党党首選で当選,首相となる。「サッチャーの息子」と呼ばれるほど思想信条が似ているとされたが,人頭税廃止や欧州統合の推進などサッチャー路線からの離脱をはかり,92年4月の総選挙で保守党を勝利に導いた。しかし,97年の総選挙では議席半減という歴史的大敗を喫し,18年ぶりに労働党に政権を譲ることとなった。

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