ヤコブス鉱(読み)やこぶすこう(その他表記)jacobsite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤコブス鉱」の意味・わかりやすい解説

ヤコブス鉱
やこぶすこう
jacobsite

マンガン(Mn)鉱物の一つ。磁鉄鉱の二価鉄(Fe2+)を二価マンガン(Mn2+)で置換したもので、両者の間には広範囲に固溶系が成立する。類似種の磐城(いわき)鉱は正方晶系に変形した単位格子をもった別種。変成層状マンガン鉱床中、高品位マンガン鉱石中に含まれ、きわめて微細な結晶からなる黒色層状の集合体をなし、変成度が上昇するとやや粗粒の集合体をなす。岩手県九戸(くのへ)郡野田村野田玉川鉱山閉山)、栃木県鹿沼(かぬま)市加蘇(かそ)鉱山(閉山)をはじめ、日本には産地が多いが、多量に濃集しては産しない。命名は原産地スウェーデンのヤコブスベルクJakobsbergにちなむ。

加藤 昭 2018年10月19日]


ヤコブス鉱(データノート)
やこぶすこうでーたのーと

ヤコブス鉱
 英名    jacobsite
 化学式   Mn2+Fe3+2O4
 少量成分  Mg,Fe2+,Zn,Ni,Mn3+,Al,V3+,Ti
 結晶系   等軸
 硬度    5.5~6.5
 比重    5.03
 色     黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目参照
 その他   強磁性

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

機械メーカー。トヨタグループの総本家で,繊維機械のほかトヨタ自動車からの小型商用車の受託生産,エンジンその他の自動車部品,フォークリフトなどの産業用車両の生産も行なう。1926年豊田佐吉が,みずから発...

豊田自動織機の用語解説を読む