ヤコブス鉱(読み)ヤコブスこう(その他表記)jacobsite

最新 地学事典 「ヤコブス鉱」の解説

ヤコブスこう
ヤコブス鉱

jacobsite

化学組成鉱物。スピネル上族オキシスピネル族スピネル亜族の一種磁マンガン鉱とも。立方晶系,空間群Fd3m,格子定数a0.8499nm,単位格子中8分子含む。まれに八面体結晶,ふつうは微細な粒状結晶の塊または細脈〜筋状。金属光沢劈開なし。硬度5.5〜6.5。比重5.03。黒色,条痕黒色,不透明,非常に薄い切片では褐色,光学的等方体,屈折率n 2.3。反射光では,褐灰〜オリーブ灰色,反射率 18.8%(470nm),19.6(550),19.6(580),19.0(650)。磁性あり。Mn2+の位置にはFe2+,Mgなどが置換し,磁鉄鉱とは完全な固溶体をつくる。Fe3+の位置にはMn3+などが置換する。Mn3+が増加すると立方晶系からわずかに歪んだ正方晶系のjacobsite-Q磐城鉱)となる。変成マンガン鉱床の主成分鉱物として広く産出。名称は原産地スウェーデンのJacobsbergにちなむ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤコブス鉱」の意味・わかりやすい解説

ヤコブス鉱
やこぶすこう
jacobsite

マンガン(Mn)鉱物の一つ。磁鉄鉱の二価鉄(Fe2+)を二価マンガン(Mn2+)で置換したもので、両者の間には広範囲に固溶系が成立する。類似種の磐城(いわき)鉱は正方晶系に変形した単位格子をもった別種。変成層状マンガン鉱床中、高品位マンガン鉱石中に含まれ、きわめて微細な結晶からなる黒色層状の集合体をなし、変成度が上昇するとやや粗粒の集合体をなす。岩手県九戸(くのへ)郡野田村野田玉川鉱山閉山)、栃木県鹿沼(かぬま)市加蘇(かそ)鉱山(閉山)をはじめ、日本には産地が多いが、多量に濃集しては産しない。命名は原産地スウェーデンのヤコブスベルクJakobsbergにちなむ。

加藤 昭 2018年10月19日]


ヤコブス鉱(データノート)
やこぶすこうでーたのーと

ヤコブス鉱
 英名    jacobsite
 化学式   Mn2+Fe3+2O4
 少量成分  Mg,Fe2+,Zn,Ni,Mn3+,Al,V3+,Ti
 結晶系   等軸
 硬度    5.5~6.5
 比重    5.03
 色     黒
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    無
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   強磁性

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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