改訂新版 世界大百科事典 「ヨシヤ」の意味・わかりやすい解説
ヨシヤ
Josiah
古代イスラエルの南王国ユダの第17代の王。在位,前640-前609年。父アモンが暗殺されて後,幼少にして王位に就く。王として自発的に活動できる時期になって,幸運にもアッシリアの勢力が衰退し,ユダの独立に成功した。続いて1世紀の間アッシリアの属州となっていた旧北王国領を軍事的に解放し,統一王国時代のイスラエル部族領を回復,アッシリアの宗教的影響を一掃する。軍事組織の強化,官僚制の整備,申命記法の制定,地方聖所での祭儀と祭司職を国家の宗教的組織に吸収する〈申命記改革〉を遂行した。国内再編成の事業の途中,前609年に北に向けてパレスティナを通過中のエジプト王ネコ(ネカウ)2世の遠征軍をメギド付近で阻止しようとして敗れ,戦死した。後代の歴史家はヨシヤを最も敬虔な王として称賛した。
執筆者:並木 浩一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報