ヨシュア(読み)よしゅあ(英語表記)yehôšûaeヘブライ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨシュア」の意味・わかりやすい解説

ヨシュア
よしゅあ
yehôšûae ヘブライ語
Joshua 英語

モーセの後継者として、古代イスラエルの民のカナーン入植を指揮した人物。『旧約聖書』によれば、彼はすでにモーセの従者として活躍し(「出エジプト記」17章8~13節)、モーセによりカナーン偵察隊の一員に選ばれたこともある(「民数記」13~14章)。「ヨシュア記」1~12章は、ヨシュアの率いるイスラエル軍のカナーン各地における華々しい戦いぶりを伝えるが、実際にはカナーン入植は平和裏に進行したようである。しかし同24章におけるヨシュアの演説は、彼らの信仰特質を示す記事として重要である。

[定形日佐雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨシュア」の意味・わかりやすい解説

ヨシュア
Joshua

旧約聖書中の人物。ローマ・カトリック教会およびギリシア正教会ではヨズエと呼ばれる。エフライムの部族出身。ヌンの子で若くしてモーセの従者となり (出エジプト記 24・13,民数記 11・28) ,カナン侵入の際にはスパイとして偵察を行なった (民数記 13・1~8) 。彼の名はもとホセアであり,エホシュアの短縮形ヨシュアはモーセの命名。モーセ在世中に後継者に選ばれ (同 27・18~23) ,その死後はイスラエルの指導者となって,カナンを占領し 12部族に分配した。彼自身はエフライムの地を得,110歳で死にエフライムの山地テムナテ・セラに葬られた (ヨシュア記 24・29) 。

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