日本大百科全書(ニッポニカ) 「レーミゾフ」の意味・わかりやすい解説
レーミゾフ
れーみぞふ
Алексей Михайлович Ремизов/Aleksey Mihaylovich Remizov
(1877―1957)
ロシアの小説家。モスクワの商人の家に生まれ、モスクワ大学で自然科学を学んだ。急進的グループに加わり、逮捕、流刑を経て釈放され、作家活動に入る。写実的要素と幻想的要素の融合を目ざした新写実派を代表する作家である。作品に『十字架の姉妹』(1910)、『第五の悪』(1912)、『ルーシの地の滅亡の物語』(1918)があるが、パリ亡命(1921)後もなお『うずまくロシア』(1929)、『バラ色の輝きの中で』(1952)などの作品を書き続けた。ゴーゴリ、ドストエフスキーの影響を受けながら、根幹に民間伝承のモチーフや文体を置き、象徴詩の技巧を取り入れた特異な作風で、ザミャーチンらに影響を与えた。
[灰谷慶三]