ロレンソ(読み)ろれんそ(英語表記)Lourenço

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロレンソ」の意味・わかりやすい解説

ロレンソ
ろれんそ
Lourenço
(1526/1527―1592)

日本人イエズス会宣教師ロレンソ洗礼名で、本名は不明。肥前(ひぜん)白石(現、佐賀県杵島郡(きしまぐん)白石町)に生まれる。盲目の琵琶(びわ)法師であったが、1551年(天文20)山口においてフランシスコ・ザビエルより洗礼を受け、同宿(どうじゅく)(宣教師と共住して身の回りの世話をし、伝道活動を助ける)としてイエズス会のために働いた。1563年(永禄6)日本人として初めてイエズス会入会を許された。学問はなかったが、話術が巧みで人をひきつける力をもっていた。京都地方を中心に宣教活動に従事し、高山右近(たかやまうこん)父子、小西行長(こにしゆきなが)父子をはじめとする大名キリシタンに改宗させることにかかわり、初期キリシタン布教史に大きな足跡を残した。イエズス会にあること29年、受洗より40年の生涯をキリシタン布教に捧(ささ)げ、1592年(天正(てんしょう)20)2月3日長崎のトードス・オス・サントス教会で65歳の生涯を閉じた。

[宮崎賢太郎 2018年3月19日]

『ディエゴ・パチェコ著『キリシタン文化研究シリーズ16 九州キリシタン史研究』(1977・キリシタン文化研究会)』

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