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アエネイス Aeneis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アエネイス
Aeneis

ローマの詩人ウェルギリウスの英雄叙事詩。 12巻。作者の死後,前 19年刊。ローマ帝国の成立を記念するために企画された国民的叙事詩で,ラテン文学の最高峰。トロイの英雄アエネアスが祖国滅亡後西方に新しい国を築こうと旅立ち,長い放浪と戦闘の末に,イタリアのラチウムにローマの基礎を築く物語。ギリシアのホメロスに匹敵する詩を求めるアウグスツス帝と国民の要望にこたえて,晩年の 11年をかけて制作。全 12巻のうち前半6巻の放浪,回想,愛,冥府行は『オデュッセイア』を,後半6巻の戦争は『イリアス』を彷彿させる場面が多い。詩は未完成で,詩人は焼却するように遺言したが,アウグスツスの命令でウァリウスとトゥッカの手によって出版された。

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百科事典マイペディアの解説

アエネイス

ウェルギリウスの叙事詩。12巻。前30年―前19年に完成。英雄アエネアスがイタリアにローマの基礎を築くまでの物語。前半はホメロスの《オデュッセイア》を,後半は《イーリアス》を模している。
→関連項目アンドロマックエンニウスディドハワード

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大辞林 第三版の解説

アエネイス【Aeneis】

ウェルギリウスの長編叙事詩。未完の遺作(前19年)一二巻。アエネアスの歌、の意。アエネアスが神命に従ってトロイア落城後一群の同国人を率いて波瀾に満ちた苦難の放浪の後、ラティウムの地にローマの礎を築くまでを描く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アエネイス
あえねいす
Aenis

古代ローマの詩人ウェルギリウスの未完の長編叙事詩。「アエネアスの歌」の意。紀元前26年ごろから書き始められ、前19年、作者の死により未完のまま残された。12巻が現存。トロイの英雄アエネアス(ギリシア名アイネイアス)は、トロヤ戦争で祖国が滅んだとき神命に従って逃れ、生き残った者を率いて船出した。途中女神ユノからさまざまの迫害を受けるが、大神ユピテルや、アエネアスの母神ウェヌスに導かれて苦難を切り抜けた。カルタゴの女王ディドとの恋愛、彼女の自殺、冥界(めいかい)訪問などののち、イタリアのラティウムに到着し、その地の王ラティヌスの歓待を受けた。しかしユノの画策により両者の間に戦争が起こり、アエネアスはラティウム側の将軍トゥルヌスを一騎打ちで倒し、新しい国ローマの礎(いしずえ)を築いた。主題はアエネアスの武勲というより彼の人物像や行為に象徴的に表されるローマの歴史である。作者はローマの歴史を神話と結び付け、国民的叙事詩の創造を試みた。ギリシア文学とくにホメロスの叙事詩からモチーフや語句の借用がみられるが、詩全体の構想は独創的である。この詩はみごとな構成と磨かれた詩句ゆえに模範とされ、後世の文学に多大の影響を及ぼした。[岡 道男]
『ウェルギリウス著、泉井久之助訳『アエネーイス』全二冊(岩波文庫)』

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