アッラー(英語表記)Allāh

翻訳|Allah

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アッラー
Allāh

イスラムの唯一神。イスラム以前にも一神教の観念や「アッラー」の語はあったが,アラビア人は特にそれほどの崇拝をしなかった。ムハンマドがその語に明確な意味を与え,イスラムの唯一神とした。コーランにおいて,アッラーは唯一の神,世界の創造者,全知全能なるものとして描き出されている。アッラーの意志,定め,裁きは絶対的であるが,他方,彼が大慈大悲の徳をもつこと,超越的であるとともに最も身近な存在であることなどが信徒に説かれた。

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百科事典マイペディアの解説

アッラー

アラー〉とも。イスラムでいう〈神〉の呼称。正確には〈アッラーフ〉。イスラム以前のアラビア半島には多くの神々がいたが,イスラムでは万物を創造し,かつ滅ぼすこともできる至高神が唯一の神とされ,その超越性が強調される。《コーラン》はその絶対性と全知全能などの属性を語る。ムハンマドはアッラーの子ではなく,その使徒で,最後の預言者。
→関連項目イスラム文化サラート

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世界大百科事典 第2版の解説

アッラー【Allāh】

イスラムにおける唯一なる神の呼称。語源的には,アラビア語で神を意味するイラーフilāhに,定冠詞al‐が付加されたal‐ilāh(the God)が同化してアッラーフ(アッラー)Allāhになったといわれる。日本ではアラーともよばれる。イスラムの教義では,この神は天地創造以前の永遠の昔から,永遠の未来にわたって存在するものであるが,歴史的にみれば,すでにイスラム以前のアラブの間に知られていたことが,碑文や人名やコーランの記述などから知られる。

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大辞林 第三版の解説

アッラー【Allāh】

イスラム教の唯一神。世界の創造者で全知全能の審判者とされる。人格神であるが戒律により図像化は一切されない。アラー。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アッラー
あっらー
Allh

イスラム教における唯一神の名。語源的には、神を意味するイラーフilhに定冠詞al-がついた「アル・イラーフ」がなまったもの。すでにイスラム以前からアッラーは至上神として崇拝されていた。しかしイスラム教では、その信条告白に「アッラーのほかに神なし」とあるとおり、アッラー以外にいかなる神も認めない。またコーランに、「神は美しい名前をもっている。それらを使って神に祈れ」(7章180節)とあり、神は「主」(ラッブ)、「慈愛深き者」(ラフマーン)などさまざまな名でよばれている。ハディース(伝承)によると、神は99の名をもつといわれるが、アッラーは、他のすべての名を含む最高の名であり、また神の固有名詞でもある。コーランにおいては、アッラーは絶対的、超越的存在であると同時に、多くの神人同形論的表現もみられ、アッラーの神学的性格はあいまいで矛盾を含んだものである。コーランに表れるアッラーに関する記述を、どのように統一的に解釈するかという問題は、後の神学者、哲学者、スーフィー(神秘家)の課題となった。[竹下政孝]

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世界大百科事典内のアッラーの言及

【イスラム】より


【イスラムとはなにか】
 イスラムはアラブの預言者ムハンマドが610年に創唱した一神教で,世界宗教として西アジア,アフリカ,インド亜大陸,東南アジアを中心に現在ほぼ6億の信者をもつ。正しくはアラビア語でイスラームといい,〈唯一の神アッラーに絶対的に服従すること〉を意味する。信者をムスリムというが,それは〈絶対的に服従する者〉の意である。…

※「アッラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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