アドリア海(読み)アドリアカイ(英語表記)Adriatic Sea

デジタル大辞泉 「アドリア海」の意味・読み・例文・類語

アドリア‐かい【アドリア海】

Adriatic Sea地中海北部イタリア半島バルカン半島にはさまれた海。古来、重要な海上交易路。

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精選版 日本国語大辞典 「アドリア海」の意味・読み・例文・類語

アドリア‐かい【アドリア海】

  1. ( アドリアはAdria ) 地中海北部の海。イタリア半島とバルカン半島に囲まれた細長い入り海。沿岸ベネチアトリエステなどの都市がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「アドリア海」の意味・わかりやすい解説

アドリア海 (アドリアかい)
Adriatic Sea

イタリア,バルカンの両半島に挟まれた地中海の内海オトラント海峡によって南のイオニア海と隔てられている。北部は比較的浅い(100~200m)が,南部では1000mを超える所がある。バルカン半島側は,海岸線が複雑で,沿岸に無数の島が見られるのに対し,イタリア側は概して単調で自然の良港に乏しい。また広大なデルタ地帯を形成しているポー河口以北では,ベネチア周辺のように,河川が運ぶ土砂堆積によるラグーンが発達している。メッシナ海峡が激しい潮流を伴うため,この海域は古来ローマと東地中海地域とを結ぶルートとして重要視された。とくに11世紀以降はベネチア共和国が制海権を獲得し,東方貿易の舞台としてにぎわい,ベネチア湾と呼ばれたこともあったが,インド航路発見とともに重要性が薄れた。ベネチア没落以後は,トリエステを軍港とするオーストリア帝国が主導権を握り,トルコ帝国とにらみ合った。その後,局地的沿岸交易の場に甘んじてきたが,近年,沿岸の工業化,観光地化によって再び活況を呈しつつある。
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百科事典マイペディア 「アドリア海」の意味・わかりやすい解説

アドリア海【アドリアかい】

地中海の一部で,イタリア半島とバルカン半島に囲まれる海域。英語でAdriatic Sea。オトラント海峡でイオニア海に通じ,北端部はベネチア湾と呼ばれる。水深は北部では200m以下で,南部では1000mをこえるところもある。ベネチア,アンコナバリ,リエカ,ドルレスなどの港がある。古来ローマと東地中海地域を結ぶルートとして重視され,11世紀以降はベネチア共和国が制海権を握っていたが,インド航路発見とともに重要性が薄れた。
→関連項目イオニア海イタリアセルビア・モンテネグロ地中海モンテネグロ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「アドリア海」の解説

アドリア海(アドリアかい)
Adria

イタリアとバルカン半島にはさまれた地中海の一支海。その名はエトルスキが建てたとされる都市アドリアに由来。中・近世ヴェネツィアが制海権を独占

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世界大百科事典(旧版)内のアドリア海の言及

【地中海】より

…地質学的なタイム・スケールからみれば,ジブラルタル海峡は狭められつつあるということができる。現在の地中海のおよその輪郭は第三紀に形づくられ,アルプス造山運動による周辺山地の形成,アドリア海の形成,ギリシアと小アジアの間の沈降によるエーゲ海の形成などがこれに相当する。地中海地域各地に地震帯が多く,また火山活動が活発なのも,このような地質学的に最近の地殻運動を物語っている。…

※「アドリア海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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