アマゾン(英語表記)Amazōn

精選版 日本国語大辞典 「アマゾン」の意味・読み・例文・類語

アマゾン

(Amazōn) ギリシア神話で、女性ばかりからなるという民族。戦いと狩りを好み、弓を射る邪魔にならないように右の乳房を取り除いていたので、アマゾーン(「乳なし」の意)と呼ばれたという。アマゾネス

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デジタル大辞泉 「アマゾン」の意味・読み・例文・類語

アマゾン(Amazōn)

ギリシャ神話で、女性ばかりからなる部族。勇猛で、弓を引くのに右の乳房がじゃまになるとして切り取ったという。また転じて、女傑・女丈夫の意に用いる。アマゾネス。
[補説]通俗語源説ではギリシャ語で「乳なし」の意。南アメリカアマゾン川も、その流域に女のみの部族がいると伝えられたことから、名づけられた。

アマゾン【Amazon】[企業名]

アマゾンドットコム」の略。

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改訂新版 世界大百科事典 「アマゾン」の意味・わかりやすい解説

アマゾン
Amazōn

ギリシア伝説中の勇猛な女武者からなる民族。複数形でアマゾネスAmazonesともいう。軍神アレスとハルモニアの子孫。黒海沿岸地方からカフカスコーカサス),スキュティアあたりに居住すると考えられた。狩猟の女神アルテミスを守護神としてあがめ,女王の指揮下にもっぱら戦争と狩猟に従事した彼女たちは,弓を引くときのじゃまにならぬよう右の乳房を取り除いていたところから,アマゾン(〈乳なし〉の意,a-否定辞+mazos乳)と呼ばれたという。武器には弓と槍のほか,三日月形の盾,斧も用い,騎馬に秀でていた。また種族保持のために,毎年,時を定めて他国の男と交わって子種を得たが,生まれた子どもは女児のみ育て,男児は殺すか不具にするか,あるいは父親のもとへやったと伝えられる。アマゾンの町としてもっとも名高いのはポントス(黒海南岸地方)のテミスキュラで,この地を英雄ヘラクレスが訪れ,女王ヒッポリュテHippolytēを殺害してその帯を奪った(十二功業の第9番目)。アテナイ王テセウスも(一説ではヘラクレスとともに)女人国に遠征し,ヒッポリュテの妹アンティオペAntiopēをさらってみずからの妻とした。このためアマゾンはアテナイにまで攻め寄せたが撃退された。トロイア戦争末期には,女王ペンテシレイアPenthesileiaの率いる女軍がトロイアに来援して奮戦したが,女王はギリシア軍最大の英雄アキレウスに討ちとられた。このときアキレウスはペンテシレイアの死に顔の美しさにうたれ,その屍をきよめて敵方に引き渡し,ねんごろに葬らせたという。また東方遠征中のアレクサンドロス大王がヒュルカニア(カスピ海南岸地方)にあったとき,タレストリスなるアマゾンの女王が子種を得るべく大王を訪れ,枕を交わしたと大王の業績記録者たちが書き残しているが,《英雄伝》の作者プルタルコスはこの話を信じていない。なお,この種の〈アマゾン伝説〉は,インド,アラビア,イギリス,アイルランド,ブラジルなどにも残っている。
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百科事典マイペディア 「アマゾン」の意味・わかりやすい解説

アマゾン

ギリシア伝説で,黒海沿岸あたりに住むとされた女戦士の種族(複数形アマゾネスAmazones)。外国の男と一定の時期に交わり子を産むが,男児は去勢するか殺害し,女児のみを育てる。弓を引きやすいように右乳房を切り落としたことからアマゾン(乳なし)と呼ばれるという。騎馬で弓,斧,槍や特製の楯を使い,イオニア各地に都市を建てた。トロイア戦争では女王ペンテシレイアが兵を率いてトロイア方に助勢したが,アキレウスに敗れた。
→関連項目テセウスヒッポリュトスマウソレウム

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「アマゾン」の解説

アマゾン
Amazon

ギリシア神話の女だけの武人族(Amazones)で,常にギリシア人の敵として登場する。狩を生業とし,弓矢,槍,斧を持って戦う騎馬武者である。美しさと武勇は彫刻に表現された。

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とっさの日本語便利帳 「アマゾン」の解説

アマゾン

小アジアや黒海沿岸に住み、狩猟と戦争によって暮らした勇猛な女性戦士たちの民族。弓術と馬術に優れ、トロイ戦争では女王ペンテシレイアに率いられてトロイに味方した。

出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアマゾンの言及

【乳房】より

…中世のヨーロッパでは副乳はまごうかたなき魔女の特徴とされた。つとにアイスキュロスの《縛られたプロメテウス》にも語られている勇猛なアマゾン族は,弓を引くのにじゃまな右の乳房を切り落としたという。聖女アガタはキリスト教徒迫害に耐えて,乳房を切除する拷問を受けたが,一夜にしてもとの胸にもどる奇跡を見せた。…

※「アマゾン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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