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アメリカシロヒトリ Hyphantria cunea; fall webworm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アメリカシロヒトリ
Hyphantria cunea; fall webworm

鱗翅目ヒトリガ科。前翅長は 14~15mm, 16mm。前後翅とも純白であるが,個体によっては前翅に黒点がある。触角は雄では両櫛歯状,雌では鋸歯状に近い。成虫は普通年2回,5~6月および8月に発生する。幼虫多食性で,植物に営巣群居して食害する。加害植物はプラタナスサクラ,クワなど 70種以上に上る。本来の分布はカナダ,アメリカ,メキシコであるが,第2次世界大戦後日本に侵入して土着し,関東地方,大阪付近でしばしば大発生している。なおイタリア,ハンガリールーマニアなどにも侵入して植物に大害を与えている。

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百科事典マイペディアの解説

アメリカシロヒトリ

鱗翅(りんし)目ヒトリ科のガの1種。開張30mm内外,白地に黒点がある。幼虫は多食性で,都会周辺に多く,プラタナス,サクラ,クワなどを好む。蛹(さなぎ)で越冬。
→関連項目帰化動物ヒトリガ

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世界大百科事典 第2版の解説

アメリカシロヒトリ【Hyphantria cunea】

鱗翅目ヒトリガ科の昆虫(イラスト)。体翅とも純白のガで,前翅に黒紋を連ねることが多い。開張4cm内外。原産地北アメリカ大陸だが,第2次世界大戦後,アメリカ占領軍の軍需物資とともに1945年ころに京浜地帯に移入され,幼虫が街路樹庭木について繁殖し,急速に分布を拡大していった。現在では東北地方南部から四国,九州の北部にまで定着している。幼虫は多食性で,サクラ,バラ,クワなど100種以上の樹木に寄生する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アメリカシロヒトリ
あめりかしろひとり
fall webworm
[学]Hyphantria cunea

昆虫綱鱗翅(りんし)目ヒトリガ科に属するガ。メキシコ以北の北アメリカに広く分布し、幼虫が多くの落葉樹に寄生し、葉を食べる害虫として有名。害虫駆除の行き届かない果樹園にも被害を及ぼすことがある。1945年(昭和20)ごろに東京、横浜地区で発見され、それ以来、街路樹や庭木に寄生して分布をだんだん広げ、現在では本州北部から四国、九州の北部にまで分布するようになった。第二次世界大戦後、アメリカ軍が日本に進駐したとき、軍需物資について渡来したものとされている。同じような経路で1940年にハンガリーを最初としてヨーロッパに広がり、また1957年には韓国に侵入し土着している。日本では森林地帯には広まらず、人為的な環境で、サクラ、バラ、リンゴ、コナラ、クワなど100種以上の樹木に寄生する。
 5月ごろ羽化した雌は300~800個の卵を食樹の葉に産み付ける。幼虫は3齢まではクモの巣のような糸を張ってその中で集団生活をし、4齢になると巣を離れ分散して葉を食べる。蛹化(ようか)するときは枝から下のほうに移動し、幹の割れ目や付近の建物の壁面などに繭をつくる。第2回目の成虫は7~8月に羽化し、産卵するが、それから孵化(ふか)した幼虫は秋に蛹(さなぎ)となり、そのまま休眠して越冬する。成虫ははねの開張30ミリメートル前後、純白で前翅(ぜんし)に灰黒色の斑紋(はんもん)を連ねるが、この紋を欠く個体は、とくに夏の第2化に多くみられる。日没後に羽化した成虫は、はねが伸びて硬化すると1~2時間飛び回り、灯火によく飛来する。雄は明け方に雌を求めて活発に飛ぶ配偶行動を約1時間行う。雌は比較的明るい枝先などに産卵するので、幼虫が発生したら、初齢のうちに巣ごと取り除くと、庭木などの被害が少なくてすむ。[井上 寛]

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世界大百科事典内のアメリカシロヒトリの言及

【ガ(蛾)】より

…イラガ科の幼虫(イラムシ)の体表には肉棘(にくきよく)が生えているので,これに触れると刺されて,はげしい痛みを覚える。(11)帰化害虫 海外から人為的な要因で侵入し,日本に土着した害虫がいくつかあるが,なかでもアメリカシロヒトリは,第2次世界大戦後に,アメリカ軍の物資とともに日本に入り,本州,四国,九州に広がってしまったもので,サクラ,クワ,バラその他200種くらいの植物に寄生する大害虫となっている。さいわいにして果樹園にはほとんど侵入できないが,庭園樹,街路樹あるいは手入れをせずに放置してあるクワ園などに多発し,被害が出ることが多い。…

※「アメリカシロヒトリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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