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アルジェリア民族解放戦線 アルジェリアみんぞくかいほうせんせんFront de Libération Nationale; FLN

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルジェリア民族解放戦線
アルジェリアみんぞくかいほうせんせん
Front de Libération Nationale; FLN

アルジェリアの政党。 1954年 11月 A.ベン・ベラ,ベルカセム・クリム,フェルハト・アッバスら全民族主義者を結集して成立,62年3月のエビアン協定によってアルジェリア独立をかちとった7年半の対仏独立闘争を軍政両面から指導した。 62年5月の党大会で採択されたトリポリ綱領は土地改革,貿易,金融,エネルギー,鉱物資源の国有化などの社会主義政策実施によって人民民主主義革命を行うと規定した。 64年4月の党大会で改定されたアルジェ憲章は「自主経営」の強化,発展を通じて人民民主革命を進め,独自のアラブ・イスラム型社会主義を目指す,としている。このアルジェ大会でベン・ベラ大統領は FLN書記長を兼任したが,その独裁的傾向に反発した H.ブーメディエン大統領 (当時副首相兼国防相) らが 65年6月クーデターを起し,ベン・ベラ体制を打倒した。このあと選出されたカイド・アフメド書記長は 72年 11月「健康上の理由」で辞職したが,大土地所有制廃止などを眼目にした農業革命の推進に同書記長が反対したのが失脚の理由といわれる。その後,次第に地殻変動が生じ,88年9月には国営企業の労働者を中心にストライキが続発,10月にはアルジェで暴動が発生した。シャドリ大統領はこうした事態を前に政治改革を推進した。 89年2月に憲法改正が国民投票で可決された。同年7月には人民議会が複数政党を認める新しい選挙法を可決し,民族解放戦線による一党独裁体制は終った。 91年 12月,複数政党制による総選挙の第1回投票が行われたが,イスラム救国戦線 FISが 80%以上の議席を獲得した。第2回投票を前にした 92年1月シャドリ大統領が辞任し,軍部主導の国家評議会が権力を掌握,FISを非合法化した。そのため政府軍と FISとの間で武力紛争が生じテロ活動が全土に広がった。 94年1月リアミン・ゼルーアル国防相が大統領に就任し政局の安定をはかり,97年6月には総選挙が再開された。同選挙では FLNは 62議席で第3党にとどまったが,第1党となった民主国民連合を中心とする連立内閣に参加した。

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百科事典マイペディアの解説

アルジェリア民族解放戦線【アルジェリアみんぞくかいほうせんせん】

アルジェリアの民族主義政党。略称FLN。1954年結成され,アルジェリア戦争中は独立運動の指導的勢力となる。1962年独立後も政権を組織し,1963年以来国内では唯一の合法政党となったが,1989年の憲法改正で一党独裁制は廃止された。
→関連項目アルジェリアファノンブーメディエンベン・ベラ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルジェリア民族解放戦線
あるじぇりあみんぞくかいほうせんせん
Front de la Libration Nationaleフランス語

略称FLN。対仏武装闘争によってアルジェリアを独立に導いた民族解放組織。アルジェリアの独立後は唯一の合法政党として、大衆を組織化し社会主義国家建設を指導する役割を果たしてきた。1954年11月「統一と行動の革命委員会」を母体に結成され、ただちに対仏武装解放闘争を開始。1956年8月には綱領を採択するとともに、革命全国評議会、調整・執行委員会、軍管区を設置するなど組織上の整備を行った。1958年9月エジプトのカイロにF・アバスを首班とするアルジェリア共和国臨時政府を樹立、国際世論のいっそうの支持を求めて積極的な活動を展開し、ついにフランスの譲歩をかちとり、1962年7月アルジェリアの独立を達成した。独立後、執政党としてのFLNの役割は確固たるものとなったが、さらに1979年1月の党決議によって、解放戦線書記長(中央委員会により選出)が自動的に共和国大統領に就任すると定めるなど、党の国家機関化を進めた。しかし冷戦終結直前の1989年2月、世界的な民主化時代の到来に先駆けて憲法改正を実施、複数政党制に移行した関係で、1991年12月に行われた同国初の民主選挙第1回投票(第2回投票は無期延期)では3位と低迷し、激しい地盤沈下ぶりを示した。その後、1997年に行われた複数政党制による総選挙では、国民議会(下院、定数380)選挙で64議席を獲得して第三党となり、40の閣僚ポストのうち7ポストを獲得して連立政権に加わった。[小田英郎]

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