翻訳|angina
かつて扁桃炎として呼びならわされたもの。現在では医学的に習慣性アンギーナhabitual angina,習慣性扁桃炎という場合以外には,耳鼻咽喉科領域ではあまり使われていない。習慣性アンギーナとは,年2,3回あるいは数回,急性化をくりかえす扁桃の炎症で,平常は慢性的な経過をとる。青少年期に多発し,発作時にのどの痛みがはげしく,高熱,寒けを伴い,顎下部や頸部のリンパ節がはれ,腎炎やリウマチなど2次的疾患の病巣となりやすい。起因菌は溶血性連鎖球菌やブドウ球菌が多い。元来アンギーナとは口峡炎のことをさす。口峡は咽門とも呼ばれ,口腔から中咽頭に移行する狭くなった部分のことであり,のどの炎症ではれるといっそう狭くなるので,アンギーナの語はもっぱら扁桃を中心とした咽頭炎に使われてきたが,語源的にはギリシア語のagchonēと関係があり,体を締めつけられるという意味で,狭心症angina pectorisにもとられるので注意を要する。
→扁桃炎
執筆者:中山 将太郎
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語源は、「けいれん性で息の詰まるような」、あるいは「窒息するような痛み」という意味のラテン語で、そのような痛みを伴う疾患や状態に対して古くから使われた。腹部アンギーナとかヒステリー性アンギーナなどの名称が残っているが、ほとんど使用されないものが多い。現在では、もっぱら狭心症という意味で使われるほかは、特殊な咽頭(いんとう)炎、たとえば比較的深い潰瘍(かいよう)をつくるが予後のよいワンサンアンギーナVincent anginaなどが使われているにすぎない。
[河村正三]
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…風邪,過労,睡眠不足ならびに塵埃(じんあい),ガスの吸入などがおもな誘因となる。 急性扁桃炎はかつてアンギーナと呼ばれていたもので,咽頭痛,高熱,寒け,頭痛,全身倦怠感などを訴え,年数回くりかえすものを習慣性アンギーナと呼び,青少年に多い。急性扁桃炎は,炎症の範囲ならびに程度によって下記の四つに分けられる。…
※「アンギーナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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