化学辞典 第2版 「アントラキノン染料」の解説
アントラキノン染料
アントラキノンセンリョウ
anthraquinone dye
アントラキノンやアリザリンに関連した縮合多環キノン構造をもつ染料の総称.染色的には,媒染染料,酸性媒染染料,酸性染料,分散染料,カチオン染料,建染め染料,および反応染料などに分類され,それぞれの分野で重要な地位を占めている.比較的簡単な構造で,深い色相が得られ,また,一般に色調は鮮明で,しかも諸堅ろう度,とくに日光堅ろう度のすぐれていることが特徴である.染料工業界において,アゾ染料とともに重要な分野を占めている.それらの化学構造は,建染め染料に属するものがもっとも複雑で,アシルアミノアントラキノンのような単純なものから,アントラキノンの1,9位において新しい核を形成しているピラントロン,ビオラントロン,フラバントロン,ピラゾールアントロンなど,アントロン誘導体のものまできわめて広大な範囲にわたっている.以下にいくつかを例示する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報