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イッカク Monodon monoceros; narwhal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イッカク
Monodon monoceros; narwhal

クジラ目ハクジラ亜目イッカク科イッカク属。体長は雄約 4.7m (を除く) ,雌約 4.2m。大型のものは体重約 1.6tに達する。出生体長は約 1.6m。未成と成鯨では体色が異なる。未成鯨は藍ねずみ色であるが,のち青みを帯びた灰色または茶ねずみ色に変る。成鯨は背面に藍ねずみ色または鉄灰色の斑紋を多数呈する。頭部はやや小さく,嘴 (くちばし) はないが口のまわりがわずかに突き出る。頸椎骨が遊離しているので,頸部は明瞭で頭部を上下左右に振ることができる。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。背鰭 (せびれ) はないが背部中央から尾部にかけての正中線上に低い隆起がある。胸鰭は小さく丸みを帯び,尾鰭の後縁は凸型で中央に切れ込みがある。雌雄ともに上顎先端に1対の歯がある。雌の歯は終生上顎の中に埋没しているが,雄は性的成熟に達する頃から,左側の上顎歯が左螺旋状に伸び,体長の3分の2 (約 2.5m) ほどの牙となる。まれに右側の上顎歯も発達し2本の牙を有するものもある。牙は雌を獲得する際,雄の順位決めに用いられるが,牙を用いた闘争行動は確認されていない。通常は2~10頭の群れで行動することが多く,ときに数百頭もの大群をなすこともある。繁殖期は7~8月。おもにイカ類を食するが,タラ等の底生魚類やエビ等の甲殻類も捕食する。分布は北極海域に限られており,中央カナダ,グリーンランド東部,中央ロシアなどに生息している。秋は外洋へ,春は沿岸へと回遊する。イヌイットによりわずかに捕獲されている。雄の長い牙は解熱作用があるといわれる。

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百科事典マイペディアの解説

イッカク

鯨目イッカク科のハクジラ。雄は体長4.5m,雌は4.0m。雄の上顎歯のうち1本は牙(きば)状で,2mほど。雌の歯は短小。北極海に分布。ふつう2〜10頭の小群をつくる。
→関連項目ユニコーン

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イッカク
いっかく / 一角
narwhalunicorn
[学]Monodon monoceros

哺乳(ほにゅう)綱クジラ目イッカク科に属する海産動物。ウニコールともいう。北極海だけに分布している1属1種の小形のハクジラ。体長5メートルぐらいに成長する。成長に伴い雄は上あご左側の第1歯(門歯)が前方に伸長し、最長3メートルぐらいに達する。これが頭に1本の角(つの)があるように思われて名前がつけられた。想像上の動物である一角獣の幻想もこれによったといわれる。この歯の用途は雄の闘争用と考えられるが、詳細はまだ不明である。まれに左右2本の歯が成長した個体もある。体色は黒、紺、灰、白の小斑点(はんてん)が密集し、背側は紺黒色で腹側は淡い。エスキモーおよびシベリア先住民によって食用に利用されている。歯は粉末にし、漢方の解熱剤として珍重されたこともある。[西脇昌治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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