大学事典 「イリノイ大学」の解説
イリノイ大学[アメリカ]
イリノイだいがく
イリノイ州シカゴの南130マイルに所在する州立の代表的な研究大学。1862年のモリル法に基づき67年創設された。その設立はランドグラント・カレッジ構想の生みの親と目される地元の改革家,ジョナサン・ボールドウィン・ターナー,J.B.(1805-99)の生産者向け教養教育思想と,彼が主導した設立運動の結実であって,南北戦争後のアメリカ的大学のプロトタイプの誕生を画した。ターナーの思想を反映したその名称はIllinois Industrial Universityで,初期には文系を含む全学生に対し科学技術の高度な素養の付与を試みた。卒業生からの圧力もあり,1885年にはUniversity of Illinoisへと改名された。ランドグラント・カレッジにふさわしく,コンピュータ科学を含む工学や物理・化学等の水準がとくに高い。史上初めてノーベル物理学賞を2度受賞したJ. バーディーンも長く教鞭をとった。他方,全米の大学図書館の中で,蔵書数がハーヴァードに次いで2位,書庫の規模は最大を誇る。広大なキャンパスの一角には,地方空港規模の飛行場を所有する。学生数4万4000。
著者: 立川明
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報