インド医学(読み)インドいがく

百科事典マイペディアの解説

インド医学【インドいがく】

アーユルベーダayurveda(〈生命の学問〉)として体系化されたインド医学は,おもに薬草を用いて病気の治療に取り組む。アーユルベーダの体系全体を論じる三大古典医学書は,北西インドで広まったアートレーヤ学派の《チャラカ・サンヒター》,中東インドに根拠を置くダンバンタリ学派の《スシュルタ・サンヒター》,さらに7世紀に両書をまとめた《アシュターンガフリダヤ・サンヒター》(医学八科精髄集成)がある。これ以後,チベット医学やヨーガを取り入れて発展し,17世紀以降は西洋医学の影響を強く受けた。今日ではアーユルベーダによる医師資格が認められ,研究体制が整備されている。病気は,欠陥や汚れを意味する〈ドーシャ〉が平衡を崩すことにより生じるとされ,治療の根本はドーシャの平衡を取り戻し身体の主要組織を正常に機能させることにある,というトリドーシャ(ドーシャの3要素)説が基本理論である。
→関連項目ホリスティック医療

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世界大百科事典 第2版の解説

インドいがく【インド医学】


[歴史]
 インダス文明の遺跡に見られる沐浴(もくよく)場や下水道は人々の公衆衛生への関心が高かったことを物語っているが,文字が解読されていない現在のところでは,当時の医学についてまだ多くを語ることはできない。アーリヤ人侵入ののち最初に成立した《リグ・ベーダ》にはすでに病気や薬草に関する賛歌があり,神々のあるものは病気を起こし,あるものは治療するものとして歌われている。《アタルバ・ベーダ》の場合はその大部分調伏増益を目的とする呪術的賛歌であるが,とくにその中核をなすのは病気治療のための呪文である。

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