ウィルクス事件(読み)ウィルクスじけん

百科事典マイペディアの解説

ウィルクス事件【ウィルクスじけん】

18世紀後半の英国で展開した反体制運動。1763年下院議員ジョン・ウィルクスJohn Wilkes(1727年−1797年)がみずからの創刊した《ノース・ブリテン》紙上で国王ジョージ3世の議会開院式の勅語を批判したのに対して扇動的文書の著者であるとして逮捕されたのが発端。議員特権で釈放された彼を迎えたロンドンの群衆は〈ウィルクスと自由〉を合言葉に高揚をみせた。議会が彼を除名し,裁判所も文書誹毀(ひき)罪で有罪の判決を下すと,ロンドン郊外のミドルセックス選挙区は彼を選出し,以後3回にわたって除名と当選が繰り返された。こうした経緯が新聞などで報道され,ウィルクスは一躍自由の寵児ともてはやされるようになった。地主貴族を中心にした特権的な寡頭支配体制に,言論の自由を看板にして民衆の支持のもとに風穴を明けたこの事件は,英国における急進主義運動の展開の契機になった。
→関連項目グレンビル

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世界大百科事典 第2版の解説

ウィルクスじけん【ウィルクス事件】

1760‐70年代のイギリスで,国王・貴族の寡頭支配的な議会政治体制に反対して,ジョン・ウィルクスJohn Wilkes(1727‐97)が中心となって展開した急進主義政治運動。ウィルクスはロンドンの富裕な酒造業者の次男として生まれ,ライデン大学留学後,1757年エールズベリー(バッキンガムシャー)選出の庶民院議員となり,62年には週刊紙《ノース・ブリトン》を創刊して,ジョージ3世が信任するビュート首相の政権に対して攻撃の論陣を張った。

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