エコー(ギリシア神話)(読み)えこー(英語表記)Ēchō

翻訳|echo

日本大百科全書(ニッポニカ)「エコー(ギリシア神話)」の解説

エコー(ギリシア神話)
えこー
Ēchō

ギリシア神話の森と泉のニンフ。「こだま」の擬人化。彼女をめぐる伝承には2種類あり、有名なのはナルキッソスとの悲恋譚(たん)である。あるときエコーは、ゼウスが恋人と戯れている間中ずっとおしゃべりをして、ゼウスの正妻ヘラの注意をそらしていた。しかし、その策略はたちまち見破られ、彼女はヘラによりこだまにされてしまった。そのため、恋人ナルキッソスとのあいびきのときも、ナルキッソスが話すことばのおしまいの部分をただむなしく繰り返すだけとなり、恋は破れた。ついには、彼女は悲しみにやつれ果て、山々に響く声のみが残った。

 いま一つの伝承は、牧神パンがエコーに恋したが、その愛を彼女が受け入れなかったために、怒ったパンは仕返しとして羊飼いを狂わせ、彼女を八つ裂きにさせたという。そしてエコーの体は大地にばらまかれ、その声も至る所に飛び散ったという。

[小川正広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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