礼儀作法のこと。古いフランス語estiquer「貼(は)り付ける」に語源をもつ。これは貼り付ける札、つまり荷札という意味があり、ここから、相手の身分や階級などによって手紙などの形式を変えて書くなどの必要性から、宮中における礼法をさすようになったといわれる。また宮廷に招かれた者の行動を指示した通用札(英語ではticket)のことをいい、この意味から宮中における礼法をさすようになったともいう。やがて宮廷人や各国大使の席次を決め、それに伴う儀礼や作法を定める、という意味に用いられた。
エチケットがフランスに定着したのは15世紀ころで、これは国家の代表者たる宮廷人の地位と名誉を内外に示すことを目的としたものであった。それはやがて一般大衆にも浸透していき、その民主化が進むにつれて単純化し、19世紀末のフランス・ブルジョア社交界のしきたりや礼儀作法が、今日のエチケットの基礎となったのである。
現代社会でごく普通にいわれる「エチケット」とは、家族を含めて自分以外のすべての人に接する場合の心構えや態度、ということができよう。具体的には、人間関係の上下や屋内屋外での作法、冠婚葬祭においての席次や招待状、そのときの食事作法などはいうに及ばず、電話のかけ方からスープの飲み方、コーヒーや酒の飲み方、乾杯の仕方にまで、エチケットは存在する。そしてその環境、つまり置かれた立場によって、エチケットそのものが変わる場合もある。目上の人々のパーティーに出席するときと、後輩の会に出席する際では、服装や、席次、挨拶(あいさつ)の仕方も同一ではない。ただし、本質的には変わるものではなく、基本的には、(1)他人に迷惑をかけない、(2)他人に好感を与える、(3)他人を尊敬する、ということに集約されよう。要は、他人と接するときにもつ優しさと感性の問題であろう。
テーブルマナーtable mannerなどに代表されるマナーという耳慣れたことばがあるが、エチケットとの相違点は、マナーが習慣や身だしなみなど一般的なルールをさすのに対し、エチケットは、さらに高度な規則や礼儀、作法など、社会人としてふさわしい感性をもつべきとする、要求度の高いものであると認識する必要があろう。
[石川朝子]
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…これらの点も含めて,概して作法は,個人の日常生活の,意識にのぼることの少ない部分について,社会が及ぼそうとする統制であるといえる。【野村 雅一】
[中国]
中国語で〈作法〉といえば,文章や物の作り方,事柄の処理の仕方を言い,エチケットにあたるのは〈礼節〉や〈礼貌〉という言葉である。中国では,礼儀作法は単なる美的しぐさではなく,〈礼〉という広大な体系の一環に組み込まれていた。…
※「エチケット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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