エリア随筆(読み)エリアズイヒツ(その他表記)Essays of Elia, The Last Essays of Elia

デジタル大辞泉 「エリア随筆」の意味・読み・例文・類語

エリアずいひつ【エリア随筆】

原題Essays of Eliaチャールズ=ラムが、エリア筆名で書いた随筆集。正編は1823年、続編は1833年刊。ユーモアペーソスに満ちた高雅文体で、自己体験回想などを書いたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「エリア随筆」の意味・読み・例文・類語

エリアずいひつ【エリア随筆】

  1. ( 原題[英語] Essays of Elia ) 随筆集。チャールズ=ラム作。一八二三~三三年刊。ロンドン風俗習慣を記す。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エリア随筆」の意味・わかりやすい解説

エリア随筆
エリアずいひつ
Essays of Elia, The Last Essays of Elia

イギリス随筆家 C.ラムの随筆集。第1集 1823年,後集 33年刊。そのほとんどは 20年創刊の『ロンドン・マガジン』に発表されたもので,作者自身の体験を中心に,人事一般についての回想や省察を,絶妙なユーモアにしみじみとしたペーソスを交えながら,独特の文体で綴っており,イギリス随筆文学中の白眉とされる。少年時代の母校思い出を述べた『35年前のクライスツ・ホスピタル校』 Christ's Hospital Five and Thirty Years Ago,定年退職後の感慨を語る『定年退職者』 The Superannuated Man,青春時代の苦しかった生活の回想『古陶器』 Old China,軽妙な随想を展開した『焼き豚論』A Dissertation upon Roast Pigや『煙突掃除人をたたえて』A Praise of Chimney Sweepers,独身の寂寥をまぎらす『幻の子供たち』 Dream Childrenなどは,特に名作の名が高い。

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改訂新版 世界大百科事典 「エリア随筆」の意味・わかりやすい解説

エリア随筆 (エリアずいひつ)

イギリスのエッセイスト,C.ラムの随筆集。The Essays of Elia(1823)とThe Last Essays of Elia(1833)の前後2編に52のエッセーを収める。エリアとはラムがこのエッセーのためにつくった架空の名。内容は回想や夢想(有名な〈夢の子供たち〉),しみじみとした世相談(〈煙突掃除を讃える〉)や人生談(〈古陶器〉),読書論や演劇論などさまざまであるが,控え目で愁いを含んだユーモアと人生の哀歓への愛惜によって,イギリス身辺随筆の代表作となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリア随筆」の意味・わかりやすい解説

エリア随筆
えりあずいひつ
The Essays of Elia

イギリスの随筆家チャールズ・ラムの随筆集。1820~1822年『ロンドン雑誌』に連載したものをまとめ、正編は1823年、続編は1833年刊。都会的感覚をしみじみとしたペーソスで包み、イギリス随筆文学の最高峰に位する。知友、書物、芝居など身辺の雑事を独特な筆致で描いているが、なかでも「夢の子たち」「古磁器」「焼豚論」「停年退職者」などがよく知られている。

[外山滋比古]

『戸川秋骨訳『エリア随筆』(岩波文庫)』

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百科事典マイペディア 「エリア随筆」の意味・わかりやすい解説

エリア随筆【エリアずいひつ】

ラムのエッセー集。1820年から《ロンドン・マガジン》誌に連載され,のちにまとめられた(前編1823,後編1833)。私生活,友人,思い出,夢想,芝居などの話題を,ユーモアとペーソスにみちた名文で書きつづる。エリアEliaはこのエッセーのためにつくられた筆名。

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世界大百科事典(旧版)内のエリア随筆の言及

【エッセー】より

…アディソン,スティールら18世紀の文人の手にかかると,それは初期のジャーナリズムの文体の一部となった。しかしエッセー文学の頂点はチャールズ・ラムの《エリア随筆》(1823,33)であり,彼こそ〈エッセイスト〉以外の名前では呼ぶことのできない文人であった。イギリス人好みのユーモア(気質のゆとり)を彫琢(ちようたく)の名文で綴ったものである。…

【ラム】より

…初期の詩作や劇作は成功せず,新聞・雑誌に雑文を寄稿していたが,姉との共著《シェークスピア物語》(1807)は広く読まれ,また《シェークスピア時代イギリス劇詩人抄》(1808)は忘れられた文学の発掘,再評価として歴史的意義がある。しかしラムの名を高からしめたのは,イギリス・エッセー文学の最高傑作《エリア随筆》である。滋味あふれるエッセーは1820年から主として《ロンドン雑誌》に不定期に掲載され,のち前編(1823),後編(1833)にまとめられた。…

※「エリア随筆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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