エリテマトーデス
えりてまとーです
Erythematodes ドイツ語
紅斑性狼瘡(こうはんせいろうそう)lupus erythematosusともいう。膠原病(こうげんびょう)のなかの一疾患。円板状エリテマトーデスと全身性エリテマトーデスに大別されるが、後者は特定疾患(難病)に指定されており、独立項目として別に解説されているので、ここでは前者について述べる。
[土田哲也]
顔面、とくに両頬(ほお)、鼻背、口唇、耳介など、おもに日光露出部に生ずる境界鮮明な鱗屑(りんせつ)を付着する紅斑としてみられ、慢性に経過し、萎縮、色素沈着・脱失、毛細管拡張を残す。20~40歳代の青壮年に好発し、性差はない。円板状エリテマトーデスdiscoid lupus erythematosus(DLE)とは皮疹(ひしん)の病型名で、多くは皮膚限局性のエリテマトーデスの皮疹として出現することが多いが、全身性エリテマトーデス(略称SLE)の経過中にもみられることがあり、またこの皮疹のみであっても、頸部(けいぶ)から下方の躯幹(くかん)や手背などに多発する場合は、SLEへの移行も考えなくてはならない。自己免疫的機序が病因として考えられている。治療は日光を避けるほか、副腎(ふくじん)皮質ステロイド薬の外用療法などが行われる。
[土田哲也]
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エリテマトーデス(〈ドイツ〉Erythematodes)
顔面などに生じる紅斑(エリテマ)を主症状とする疾患。膠原病の一。急性で全身がおかされるものと、慢性で皮膚に限局して円形の紅斑が現れるものとがある。紅斑性狼瘡。→全身性エリテマトーデス
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エリテマトーデス【erythematodes】
膠原病(こうげんびよう)に属する疾患で,その代表的なものと考えられている。10~20歳代の女性に多く,男性にはまれである。症状として特徴的紅斑が皮膚表面に出るために,エリテマトーデス(紅斑症,紅斑性狼瘡(ろうそう))といわれている。全身的に多臓器の病変を示す全身性エリテマトーデスsystemic lupus erythematodes(SLEと略される)と,病変が皮膚に限られる円板状エリテマトーデスdiscoid lupus erythematodes(DLEと略される)との二つが区別されている。
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世界大百科事典内のエリテマトーデスの言及
【DLE】より
…円板状紅斑性狼瘡(ろうそう)discoid lupus erythematosusの略。円板状エリテマトーデスともいう。膠原病の代表的な疾患である急性全身性紅斑性狼瘡(エリテマトーデス)の皮膚症状のみの慢性型をいう。…
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