改訂新版 世界大百科事典 「オカメインコ」の意味・わかりやすい解説
オカメインコ
cockatiel
Nymphicus hollandicus
オウム目オウム科の鳥。全長約32cm。頭部に長い冠毛があり,全長の半分を占める長い尾をもった中型のインコ。冠毛があることから,一時はオウム類に分類されていたが,現在はヒラオインコ類とされている。羽色は全身が灰色で,翼の一部が白い。雄は頭と顔が黄色をしていて,その名のように雌雄とも〈おかめ〉のお面のように,両ほおに橙色のまるい斑がある。オーストラリアの開けた明るい林につがいか小さな群れですみ,おもに地上で草の種子や木の実を採食する。地上では灰色の羽色がみごとな隠ぺい色となり目だたない。オーストラリアの北部のものは,冬の間,大群になって食物を求めながら不定期的な移動をする。南部のものは定期的な渡り鳥で春に北方へ渡って繁殖し,秋に戻ってくる。繁殖期には水辺の木の樹洞に営巣し,1腹4~7個の卵を産む。抱卵日数は21日で,6~7週間で雛は巣立つ。オーストラリア産のインコ類の中では,セキセイインコに次いで飼鳥としてよく親しまれ,日本にも古くから輸入された。口笛や簡単な言葉をまね,巣引も容易である。
執筆者:齋藤 隆史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報