百科事典マイペディア 「オケヘム」の意味・わかりやすい解説
オケヘム
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フランドル楽派の作曲家。オケゲムとも呼ばれる。1451年ころから30余年にわたり3代のフランス国王宮廷に仕え,王の使節団の一員としてスペインなどに旅行した。トゥールで没したが,彼の死は当時の文人たちに哀惜され,エラスムスは《音楽の長オケヘムへの挽歌》を,ほかに2人の詩人が追悼詩をささげている。今日まで伝えられている作品の数は比較的少ないが,ミサ,モテット,シャンソンの多岐にわたり,さらに現存する多声による最古のレクイエムも含まれる。純粋な多声の原理に基づく宗教的声楽作品は,各声部における息の長い旋律線を特徴とし,その流れは楽曲全体を通じて全声部同時にとぎれることがない。また,3声書法を基調としたシャンソンは,伝統にしたがった保守的な傾向を示しているが,模倣書法が控えめに試みられている。
執筆者:寺本 まり子
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