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オストロム オストロムOstrom, Elinor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オストロム
Ostrom, Elinor

[生]1933.8.7. カリフォルニア,ロサンゼルス
[没]2012.6.12. インディアナ,ブルーミントン
アメリカ合衆国の政治学者,経済学者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で政治学を専攻し,1954年学士号,1962年修士号,1965年博士号を取得。研究生活のほとんどをインディアナ大学で過ごし,行政学部(1965~69),政治学部(1969~91)および公共・環境問題大学院の教授を歴任。アーサー・F.ベントレー政治学記念教授も務め,夫で同僚の政治学教授ビンセント・オストロムとともに 1973年に設立した政治理論・政策分析ワークショップの共同責任者にもなった。オストロムは,水や漁場のような共有資源は中央集権的に管理されるか私有されなければ十分に管理できないという従来の考えに疑問を投じ,細かい契約や法律が適用されない人間の行動や取り引きについての理解を通じて経済統治という研究分野を確立した。市場や市場価格の理論に重点をおくこれまでの経済学の考え方を拡大したことが評価され,2009年に女性として初めてオリバー・E.ウィリアムソンとともにノーベル経済学賞を受賞した。

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百科事典マイペディアの解説

オストロム

アメリカの経済学者。ロサンゼルス生れ。カリフォルニア大学卒業。インディアナ大学教授などを務めた。海洋森林などの公共財および共有資源の保全管理に関する研究を手掛け,2009年に女性初のノーベル経済学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オストロム
おすとろむ
Elinor Ostrom
(1933―2012)

アメリカの政治・経済学者。1933年、ロサンゼルス生まれ。1965年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校で政治学博士号を取得し、インディアナ大学准教授を経て、教授。1996年から翌1997年にかけ、アメリカ政治学会の会長も務めた。市場原理や政府規制に頼らなくても、森や湖などの共有資源commonsを効率的に管理できる仕組みがあることを理論的に解明し、経済統治economic governance研究での功績で、2009年のノーベル経済学賞を受賞した。カリフォルニア大学バークリー校教授、オリバー・ウィリアムソンとの共同受賞。1969年のノーベル経済学賞創設以来、初の女性受賞者となった。
 一般に、共有資源は市場原理に任せておくと乱開発や乱獲が進むため、政府などによる規制か、私企業による管理かのいずれかが適当とされてきた。しかしオストロムは多くの森林、湖沼、漁場、牧草地などにおける実証研究で、複数の利用者らが長い歴史のなかでより効率的な管理ルールや仕組みを編み出していることを発見。この自主統治self governanceが成功する条件を明らかにした。オストロムの研究は政府の規制以外にも「市場の失敗」を補完する非市場型メカニズムがあることを示しており、近年問題となっている天然・希少資源問題や環境問題の解決策を考えるうえで影響を与えている。[矢野 武]

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