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オトウェー オトウェーOtway, Thomas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オトウェー
Otway, Thomas

[生]1652.3.3. サセックス,トロットン
[没]1685.4.14. ロンドン
イギリスの劇作家。牧師の家に生れ,オックスフォード大学を中退,俳優を志望。失敗して劇作に転じた。悲劇『アルシバイアディーズ』 Alcibiades (1675) ,『ドン・カルロス』 Don Carlos (76) などを発表したのち,ロンドンの生活に失望して,1678年軍隊に入り,オランダに渡る。翌年帰国,再び劇作に従事する。『みなしご』 The Orphan (80) は,双子の兄弟がみなしごの娘を愛し,最後には3人とも自殺するという悲劇で,好評を博した。代表作『ベニスは安泰』 Venice Preserved (82) は,ベニス政府転覆の陰謀に加担した男が,有力者の娘である妻への愛情と仲間への信義との板ばさみに悩み,破滅にいたるという内容。これらはいずれも韻文悲劇で,エリザベス朝悲劇を思わせるものと評されたが,作者自身は 33歳の若さで貧窮のうちに死んだ。ほかに喜劇『兵士の運命』 The Soldier's Fortune (81) ,モリエールやラシーヌの戯曲の改作がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

オトウェー【Thomas Otway】

1652‐85
イギリスの劇作家。俳優として失敗し劇作に転じ,王政復古期悲劇の代表作家となる。おもな作品は《孤児》(1680),《護られたベニス》(1682)など。公的な規律と私的感情の対立に悩む人物を登場させ,それを情緒的に描いたため,18,19世紀にはもてはやされたが,人工的で深みに欠け,今ではほとんど顧みられない。ほかに喜劇数編があるが評価は低い。ラシーヌやモリエールの英訳でも知られる。【喜志 哲雄】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オトウェー
おとうぇー
Thomas Otway
(1652―1685)

イギリスの劇作家。韻文の悲劇『ドン・カルロス』(1676)の成功で名声を得る。続く『孤児』(1680)、『救われたベニス』(1682)の二悲劇も傑作の名が高い。喜劇にも手を染め、またラシーヌ、モリエール、シェークスピアなどの作品の翻案もある。名優トマス・ベタートンThomas Betterton(1635―1710)とともに彼の主要な作品を演じた、イギリス初の大女優とされるエリザベス・バリーElizabeth Barry(1658―1713)への報われぬ恋によっても知られる。[村上淑郎]
『千葉孝夫訳『トマス・オトウェイ悲劇集』(1991・中央書院)』

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